北数教小学校部会札幌支部 主体的に学び合う子育成 研究大会で6校の授業公開
(関係団体 2017-12-13付)

北数教札幌支部研究大会
髙田教諭は、くじ引きの当たりやすさを求める授業を展開

 道算数数学教育会(=北数教)小学校部会札幌支部(岡田悌二支部長)は一日、札幌市内の小学校六校を会場に第四十九回札幌支部研究大会を開いた。各会場で授業を公開したほか、分科会を実施。算数教育の充実に向けて研鑚を積んだ。

 札幌支部では、研究の重点を「学ぶ力を育む問題解決的な学習の創造」と設定。学ぶ力を育む授業づくりの視点に、①問いをもって主体的に動き出す子を育む②ともに学び合い、本時のねらいに迫る子を育む―の二点を掲げ、研究を進めてきた。

開成小5年「割合」

 六つの会場のうち、五学年部会の会場となった札幌市立開成小学校では、同校の髙田将太教諭が五年二組(児童数二十八人)の「割合」を指導。授業は十二時間扱いの二時間目で、本時の目標に「分数や小数、図などを用いて当たりやすさを比べる活動を通して、全体量をそろえて比較することができる」を据えた。

 髙田教諭は、A・Bと書かれた二つの箱を提示。くじ引きを行うことを説明し、白いピンポン玉はハズレということを伝えた。また、当たりとなるオレンジのピンポン玉を、Aには三個、Bには四個入れた。どちらの箱の方が当たりやすいかを児童に予想させた上で、クラスを半分に分けてA・Bの箱からくじを引かせた。

 くじ引きの結果、当たりを引いた児童の数はどちらもほぼ同じとなったが「ほかのクラスでやったときはAの方が当たりやすかった」と紹介。授業づくりの視点①の観点から、最初にBは当たりが多いことを見せ、その上でAの方が当たりやすいという事実を告げたことで「なぜAが当たりやすいのか」という児童の問いと、その問いから「BはAよりハズレが多いはず」といった予想を引き出した。

 続いて、Aに入っているくじの全体数は、当たりを含め五個ということを明かした。児童に、Bに入っているくじの全体数は何個になるのかを問いかけた。Bの全体数について、いろいろな数を当てはめて考えさせたあと、Bのくじの全体数は八個ということを説明。「全体のくじ数が違うときはどうやって比べよう?」と板書し、児童の考えをノートに書かせた。授業づくりの視点②の観点から、比べ方に意識を向けさせることで、本時のねらいに迫る児童の姿を生んだ。

 全体交流では、児童が考えた、くじの全体数を分数としてとらえ、分母を揃えて比較する方法や、当たりをハズレの数で割って小数で比べる方法を発表させた。どちらの方法もAの方が当たりやすくなることを確認した。

 また、全体数が当たりのみだった場合、どのような数になるのかを問いかけた。児童の意見を整理しながら、小数の場合では〝一〟、分数の場合でも分母と分子が同じ数になり、〝一〟となることを確認。このことから、どちらも「同じ当たりやすさ」になることや「全体の数をそろえることで比較できる」と理解させた。

(関係団体 2017-12-13付)

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