医療的ケアハンドブック会議―道教委　支援の在り方で情報共有　改訂版作成へ意見交換

（道・道教委 2017-12-27付）

医療的ケアの現状と課題などについて意見を交わした

　道教委は二十五日、道庁別館で第一回「医療的ケアハンドブック（改訂版）」作成会議を開いた。モデル校の教職員、医療・保健福祉関係者ら十四人が出席し、医療的ケアを必要とする子どもへの支援の在り方について情報を共有。ハンドブック改訂版の作成に向けて意見を交わした。

　「高度な医療的ケア等に対応した校内支援体制充実事業」の一環。人工呼吸器の管理など、高度な医療的ケアを必要とする児童生徒に対応できる体制整備の充実が図られるようハンドブック改訂版の作成に向けて実施した。

　はじめに、特別支援教育課の佐古勝利主幹があいさつ。医療的ケアを必要とする子どもたちへの支援のさらなる充実が求められているとし「各学校で安全に医療的ケアが実施され、子どもたちの充実した学びが実現されるよう、協議していただきたい」と述べた。

　つぎに、津川周一指導主事が医療的ケアの現状と課題を説明。医療的ケアが必要な児童生徒数の増加を踏まえ、基本的な知識・技能を高めるための教職員の研修、看護士との役割分担や医療面でのバックアップなどの必要性を示した。

　続いて、モデル校の担当者が自校の現状と課題を説明。教職員の過密なスケジュール、関係機関との連携、宿泊を伴う学習でのサポートの在り方など、医療的ケアに関する課題を挙げた。

　このあと、現行のハンドブックに関する課題、新たに加えるべき視点などに関して意見を交換。「誰を対象としたものか明確に示すべき」「医学の進歩や法改正などを踏まえ、現状に対応するための変更が必要」などの意見が挙がった。

　また「担当教員とほかの教員の温度差がある。学校全体で取り組んでいくため、教員全員に周知するのが望ましい」との指摘があった。

　最後に、生涯医療クリニックさっぽろ院長で、同事業の巡回指導医を務める土畠智幸氏がコメント。医療的ケアに関する情報を教員間で共有するため、ＩＣＴを活用していく必要性を挙げた。

(道・道教委 2017-12-27付)