新教育計画の目標指標など検討開始―道教育推進会議 深い学び実現へ授業改善を 学校外で1時間以上勉強も盛る
(道・道教委 2017-12-26付)

 道教育推進会議は、策定に向けて準備が進められる新しい教育計画の各施策項目の目標指標と目標数値に関する検討を開始した。「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業改善を把握する指標を新たに取り入れるほか、すべての児童生徒が「授業の目標を意識して学び、振り返る活動を行うこと」「記述式の問題で最後まで解答を書こうと努力すること」「学校の授業以外に一日一時間以上勉強すること」を目指すことを検討している。来年一月の第二回会議で答申案について審議し、同月下旬に推進会議から道教委へ答申する予定。

 三十年度から五ヵ年を計画期間とする第五次道教育長期総合計画。

 二十二日の第七期第一回会議では、各施策項目の効果を把握・検証し、達成度を示すための指標と三十四年度までの目標数値の案を示した。

 案では、施策項目「義務教育における確かな学力の育成」において、新たに「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を把握するための指標を設定。三十四年度までに、全国学力・学習状況調査においてすべての児童生徒が他者と対話、協働して課題を解決するなどの学習活動に「取り組んでいたと思う」と回答することを目標とした。

 また、記述式問題で最後まで解答を書こうと努力した児童生徒、授業での目標提示や授業後の学習内容の振り返りを行っていたと思う児童生徒の割合の目標値を一〇〇%に設定。

 「国際理解教育の充実」では、中学校卒業段階で英検三級以上、高校卒業段階で英検準二級以上を取得、または同程度の英語力を有する生徒の割合をいずれも五〇%と定め、すべての中学校が「CAN―DOリスト」の学習到達目標の達成状況を把握することを目指すとした。

 「産業教育の充実」では、職業学科を設置する道立高校において、企業、産業、大学などと連携して地域の課題解決に取り組むなど、グローバル人材の育成に取り組む学校の割合を一〇〇%とした。

 道徳教育では、すべての学校が道徳教育の全体計画「別葉」を作成することを目標に設定。ふるさと教育の充実では、すべての児童生徒が地域や社会での問題に関心をもつこと、すべての学校で施設や人材を活用してアイヌ人の歴史・文化の体験学習や北方領土学習を実施することを目指す。

 いじめ防止や不登校児童生徒支援の取組では、前計画に続き「いじめはどんな理由があってもいけないことだと思う」の設問で、すべての児童生徒が「当てはまる」と回答することとし、体力・運動能力の向上に向けては、全国体力・運動能力、運動習慣等調査ですべての児童生徒が体育授業以外の一週間の総運動時間を「六十分以上」となるよう設定している。

 幼児教育の充実では、すべての市町村において、域内の幼稚園、認定こども園、保育所、小学校間の意見交換、合同の研修機会を設けることを提示。小学校新学習指導要領でスタートカリキュラムの義務化が示されたことを踏まえ「域内の幼稚園等の意見を踏まえて小学校入学後のスタートカリキュラムを編成している小学校の割合」一〇〇%を目指すとした。

 学校と地域の連携・協働の推進に関しては、保護者や地域住民の教育活動への参加に「参加してくれる」と回答した小・中学校の割合を一〇〇%に設定。

 新たな施策項目「学びのセーフティネット」では、年収三百万円未満の家庭に対する生活支援に関する各種制度の周知に関する指標を設定。保護者に対する就労支援、経済的支援などの施策を総合的・効果的に推進するため、知事部局との緊密な連携に取り組むとしている。

(道・道教委 2017-12-26付)

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