道高校長協会29年度後期研 人材の発掘・育成を 川口会長あいさつ概要(関係団体 2018-01-15付)
あいさつする川口会長
道高校長協会二十九年度後期研究協議会(九日、ホテルライフォート札幌)における川口淳会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
本協会として本年、取り組むことやお願いすることについて申し上げたい。
本協会では本年度、重点目標を掲げて、情報を共有し、課題の解決を図るなど、目標の達成に向けて取り組んできた。重点目標の三つの視点のうち、経営課題と協会運営について申し上げる。
▼経営課題の視点
▽カリキュラム・マネジメントの確立
高校学習指導要領が本年度中に告示され、各学校では、カリキュラム・マネジメントを確立していくことになる。カリキュラム・マネジメントには三つの側面、すなわち、教育内容の組織的な配列、PDCAサイクルの確立、人的・物的資源などの活用が重要である。
文部科学省初等中等教育局の長尾篤史視学官は、PDCAのうち、Cすなわちチェックが重要であるとして、足元をしっかりとみて、現状分析した上で、目標を具体的に設定し、計画を立てることが大切である。また、授業の改善については、例えば「言語活動の充実による論理的思考力の育成」というテーマを設定し、テーマに基づいた各教科の月別の指導計画をマトリックスにしたり、教科の枠を超えた授業参観や研究授業を行ったりすることが考えられると述べている。
校長先生方においては、本協会の教育課程委員会の調査・研究報告なども参考にしていただくようお願いする。
▽社会に開かれた学校づくり
よりよい社会の創造に向けて、将来を担う子どもたちが社会における役割を担い、社会に貢献していくための資質・能力を身に付けることが求められている。このため、子どもたちが社会とかかわりながら、様々な教育活動に取り組むことが大切であると考えている。
来年度から「北海道総合教育大綱」や「これからの高校づくりに関する指針」に基づく施策等が実施されるが、いずれも地域との連携は重要な柱の一つになっている。
今後も、教育的な効果という観点に立ち、地域との一層の連携を図り、子どもたちが社会とのつながりの中で成長していけるよう支えていただくことをお願いする。
▽人材の発掘・育成
後継者の育成は喫緊の課題となっている。各学校では、ミドルリーダーの育成に努めていただいているが、特に、教頭昇任候補者の確保は年々厳しい状況になっている。
本協会としても、管理職の育成に向けて、本年から毎年三月に実施している新採用校長研修と同日に、昇任教頭研修を教頭・副校長会と連携し、実施することとした。
今後とも、校長先生方からアイデアをいただきながら、人材の発掘や育成に努めていきたいと考えているので、協力をお願いする。
▽文教施策要望など
文教施策や人事異動に関する要望については毎年、校長先生方から意見や要望などをいただき、本協会としての考えを取りまとめ、道教委に要望している。そのための調査を二月から三月にかけて実施するので、協力をお願いする。
活力ある学校づくりに向けて、要望の実現が図られるよう努めていきたいと考えている。
▼協会運営の視点
▽協働体制の構築
各学校では、教育改革や学校個別の課題について、組織的・計画的に対応しているものと思う。その際、校長先生方のネットワークによって、実践例などの情報を共有することが参考になると考えている。
昨年九月に開催された道教委主催のテレビ会議システムによる道高校教育改善協議会では、各支部・ブロックに共通する課題である「人材育成および資質・能力の向上等について」をテーマとして、充実した協議を行った。
また、昨年十月には、六つの支部の研究協議会に本部役員も参加し、本協会の取組や今後の高校教育などについて協議を深めさせていただいた。様々な情報を共有し、課題について協議することは大変意義のあることと考えている。
今後も、こうした研究協議の充実が一層図られるよう努めていきたいと考えている。
▽不祥事の防止と危機管理への対応
近年、学校が抱える課題が複雑になり、対応に苦慮する場合があることや、教職員による不祥事が依然としてなくならないことから、本年度、コンプライアンス推進委員会において、不祥事の防止や危機管理能力の向上を図るための学校における研修等の参考となる資料を作成している。
各学校では、作成した資料を活用するなど、実効性のある取組を行っていただくようお願いする。
▽調査研究の推進
本年度、調査研究部では、教育改革の動向等に応じて組織を見直した。各委員会の校長先生方には、調査・研究を積み重ね、報告書としてまとめていただいたことに感謝する。また、委員長の校長先生方には、全国高校長協会における各部門の研究協議会に出席していただき、協議した内容などについての情報を提供していただいた。
会員の校長先生方には、調査・研究の成果を学校経営の参考にしていただくようお願いする。
また、各委員会では、テーマについての調査・研究を進めることによって、理解を一層深めるほか、校長先生方のネットワークが構築されるものと考えている。今後、来年度の委員の募集をさせていただくので、協力をお願いする。
▽協会創立七十周年
来年度は、本協会創立七十周年を迎える。現在、実施内容などについて検討しており、今後、支部長研や理事研などで意見等をいただき、計画案を作成したいと考えているので、協力をお願いする。
◇
以上、経営課題と協会運営について申し上げた。
教育の成果というのは申すまでもなく、すぐに目に見える形で現れるものではないと考えている。
教育に関しては、その結果や成果に関心が高まる傾向にあるが、根幹となる目標や方針、枝葉となる方策や実践などが重要であり、地道な活動のプロセスが大切である。改革や改善を図る際、校長先生方がリーダーシップを発揮し、目標や方針を明確にするとともに、共感を得て意思疎通を図ることで、組織を動かすことができると考えている。
本協会では本年度、「協働」ということに重点を置いて、様々な活動に取り組んでいる。各学校の学校経営に資するため、引き続き、支部長・ブロック長の校長先生方を中心に意思疎通を図り、ネットワークづくりを進めていただくようお願いする。
本協会としても、教育の動向や新たな制度などに関する情報を迅速に共有するほか、校長先生方からの意見や要望などを伺いながら、課題等の解決に努めていきたいと考えている。
今後とも、皆さんの理解と協力をお願い申し上げる。
(関係団体 2018-01-15付)
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