消費生活に関する問題理解 消費者教育支援セミナー―道教委など(道・道教委 2018-01-16付)
エシカル協会の末吉代表理事は、社会に影響を与える消費者としての責任を強調した
消費者教育支援セミナーが十二日、札幌市内の道立消費生活センターで開かれた。エシカル協会の末吉里花代表理事が「消費者市民社会を拓くエシカル消費」と題して講演したほか、帯広緑陽高校の皆川亜希子教諭がエゾシカを題材とした消費者教育の実践を報告。参加した教員ら約六十人は、近年の消費生活に関する問題、消費者教育について考えを深めた。
道消費者協会・道教委・道金融広報委員会・道立消費生活センター主催。近年の消費生活に関する問題や若年層に伝えるべき情報を提供し、学校における消費者教育・金融教育に資することがねらい。小・中学校、高校の教員など約六十人が参加した。
開会に当たって、道消費者協会の矢島收専務理事、道教委高校教育課の三条歩主幹、道金融広報委員会の五十嵐清人事務局長があいさつ。
矢島専務理事は、民法の成年年齢引き下げを踏まえ若年層における消費者教育の意義を指摘。三条主幹は「消費者教育の現状や課題について理解を深め、各学校における消費者教育の充実につなげてほしい」と述べた。
講演でエシカル協会の末吉代表理事は、コーヒー豆やコットンなど日用品の原料生産の裏でみられる児童労働、奴隷労働など様々な社会的課題を指摘。消費者一人ひとりが社会的課題の解決を考え、課題解決に取り組む事業者を応援するなどの倫理的な消費活動を行う「エシカル消費」を提示した。
また、フェアトレードや環境保全に資する商品の認証制度などエシカル消費の取組を紹介し、将来の社会経済、地球環境に影響を与える消費者の責任を強調。「知ることは未来をつくる大きな力。子どもが将来どんな職業になりたいかだけではなく、どういう社会で生きていきたいかを考え、行動することを教えてほしい」と語った。
午後からは、東京芝法律事務所の中村新造弁護士が「〝二十歳〟の意味を考える 民法の成年年齢引き下げ問題に関する一考察」と題して講演。
つぎに、帯広緑陽高の皆川教諭が、エゾシカ肉を使ったレシピやキャラクターの作成など、エゾシカを題材とした消費者教育の実践を紹介し、主体的・自主的な行動・判断、自立した消費者の育成などの成果を示した。
(道・道教委 2018-01-16付)
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