【解説】子どもへの前兆事案―２９年中

（解説 2018-01-24付）

　道警本部は、二十九年一年間の「子どもに対する前兆事案」届出受理状況をまとめた。

　前兆事案とは、子ども（十三歳未満）を対象とする性犯罪などの凶悪犯罪の前兆とみられる声かけやつきまといのこと。

　二十九年十二月は、対前年同期比四十九件増の八十三件を受理。一～十二月の累計は、七十七件増の一千百十五件となった。

　態様別では「声かけ」が四百三十一件で最も多く、全体の三九％を占めた。また、「つきまとい」が百八十五件で一六％、「痴漢・身体接触」が百三十四件で一二％、「容姿の撮影」が百二十七件で一一％などの届出があった。

　発生時の子どもの状況は「登下校時」が五百二十一件で四七％、「遊んでいるとき」が百八十四件で一七％、「習い事・友人宅・買い物等への行き帰り」が百二十七件で一一％など。

　発生時間帯は「午後三時台」が三百二十五件、「午後四時台」が二百三十一件、「午後二時台」が二百一件となっており、下校時間帯の午後二～四時台で六八％を占めた。

　発生場所は「道路（通学路を含む）」が八百九件で七三％だった。

　発生時に子どもがとった行動は、自宅や学校、近くの店などに「逃げる」が四三％を占めた。

　道警本部では、不審者に遭遇した際、防犯ブザーや大声で近くの大人に知らせること、また、身の危険を感じたときは、近くの店や家に避難するよう子どもに指導することを求めている。

　また、十二月に、事案発生から三十分以内に警察に通報した案件は全体の一八％にとどまった。早期通報によって、警察官を現場に急行させられることから、子どもから不審者の話を聞いたとき、速やかに通報するよう求めている。

(解説 2018-01-24付)