【解説】子どもの学習費調査

（解説 2018-01-30付）

　子どもが幼稚園から高校まで、すべて私立に通った場合の学習費総額は一千七百七十万円で、すべて公立に通った場合の五百四十万円の三・二八倍になることが、文部科学省の二十八年度子どもの学習費調査結果から明らかになった。

　六年度から隔年で実施している抽出調査。対象校は全国公私立の幼稚園、小・中学校、高校全日制合わせ一千百四十校、対象幼児児童生徒総数は二万九千六十人。有効回答数は二万三千七百六人。

　保護者が一年間に支出した子ども一人当たりの学習費（学校教育費、学校給食費、学校外活動費）総額をみると、幼稚園は、公立が前回調査よりも一万二千円増の二十三万四千円、私立が一万六千円減の四十八万二千円。小学校は、公立が増減なしの三十二万二千円、私立が八千円減の百五十二万八千円。中学校は、公立が三千円減の四十七万九千円、私立が一万二千円減の百三十二万七千円。高校は、公立が四万一千円増の四十五万一千円、私立が四万五千円増の百四万円。

　公私を比較すると、私立は公立に対し、幼稚園で二・一倍、小学校で四・七倍、中学校で二・八倍、高校で二・三倍だった。

　学校教育費の構成比で最も高いのは、公立の場合、幼稚園が「授業料」、小学校が「図書・学用品・実習材料費等」、中高が「通学関係費」。私立は、幼小中高のいずれも「授業料」。

　学校外活動費（学習塾、習い事など）は、公私ともに進学が近づくにつれて増加。高校では、公私ともに第一・二学年の支出額が増加し、第三学年との支出差が減少傾向にある。

　幼稚園三歳から高校第三学年までの十五年間、すべて私立に通った場合の学習費総額は一千七百七十万円。すべて公立に通った場合の五百四十万円との差は、三・二八倍となった。

(解説 2018-01-30付)