【解説】高等教育資格の地域規約発効
(解説 2018-02-06付)

 文部科学省は一日、高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約が発効したことを発表した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の地域規約で、締約国間で高等教育の資格を相互に承認し、学生や研究者の流動性を高めるもの。現締約国は日本、オーストラリア、中国、ニュージーランド、韓国の五ヵ国で、外国人留学生の誘致、日本人学生の海外留学の促進が期待される。

 グローバル化の進展に伴い、高等教育における学生や研究者の国際的流動性が高まっている。海外学生による日本の高等教育機関への出願件数は年々増加しており、受け入れのための適正な資格の評定が難しくなっている。

 同時に、日本で学んだ日本人や留学生が外国に進学や就職する際、他国の高等教育機関や企業から評定・評価される機会も増加している。

 昨年二月の中央教育審議会大学分科会では、留学生の受け入れや卒業後のグローバルな活躍をあと押しする観点から、日本の学位等の国際通用性を確保するために必要な方策を検討する必要性が示された。

 方向性として、高等教育制度の仕組みや学位等の種類などの整理のほか、同規約の締結や高等教育に関する情報を提供する国内情報センターの設立などの案が挙げられた。

 昨年十二月、日本と韓国が同規約を締結。締約国五ヵ国以上の要件を満たしたことで発効となった。

 締約国は、実質的な相違がない限り、①高等教育課程を受講するための要件(入学資格等)②部分的な修学(単位等)③高等教育の資格(学位等)―について、他締約国が付与した高等教育の資格を承認または評定する。

 今後、国内情報センターを設立し、締約国間での情報の提供、共有を行う。

(解説 2018-02-06付)

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