【解説】文化財継承に向けた保存と活用
(解説 2018-01-29付)

 過疎化・少子高齢化の進行によって豊かな伝統や文化が消滅の危機を迎える中、文化財保護の充実やその担い手の確保・支援体制づくりが急務となる。国の文化審議会は、そのような状況を踏まえ「文化財の確実な継承に向けたこれからの時代にふさわしい保存と活用の在り方について」(第一次答申)で方策を示した。

 答申では、これからの時代にふさわしい文化財の継承のための方策として、①総合的な視野に立った地域における文化財の保存・活用の推進強化②個々の文化財の計画的な保存・活用と担い手の拡充―を掲げた。

 ①では、現行制度の一層の推進に加え、地方公共団体が未指定も含めた域内の文化財を把握し、地域で協力して総合的に保存・活用に取り組む制度の必要性を指摘。

 具体的には、国が地方公共団体における文化財の保存・活用計画を策定するに当たっての基本的な考え方を指針などで示す。

 都道府県は、それを踏まえて、域内の文化財の総合的な保存・活用に関する大綱的な方針・計画を策定できる。また、市町村は、国の指針などに基づき、都道府県の大綱を踏まえつつ、単独または他市町村との共同で、地域の文化財に関するマスタープランとして、総合的な保存・活用の計画を策定できることとした。

 ②では、文化財ごとに保存・活用の考え方や必要な事項などを明確にし、所有者等の文化財の維持・管理・活用・伝承などの自主性・的確性を向上させることが必要と指摘。

 国が推奨する個々の文化財の保存活用計画を制度上、明確に位置付けることや、使いやすく実効性のある管理責任者制度とするなどの方策を挙げた。

 このほか、答申では、地方文化財行政の推進力強化、博物館等の役割強化などを掲げた。

(解説 2018-01-29付)

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