小学部、中学部を設置　３１年度に中標津高等養護―道教委

（道・道教委 2018-02-02付）

　道教委は、中標津高等養護学校の空き教室を活用して、知的障がいのある児童生徒が就学する小学部、中学部を設置する方針を決定した。三十年度、学校の名称や通学区域を定めるための条例などを改正。三十一年四月一日に開設する。学校規模は三十一年度以降、在籍者数が百四十人規模で推移する見通し。

　知的障がい特別支援学校高等部（職業学科設置校）である中標津高等養護学校は、二十八年度に一学級減、三十年度に一学級減となり、六教室が空き教室になる。このため、以前からあった地元関係団体の要望の声を踏まえ、根室管内に設置されていない小・中学部を含む特別支援学校を、空き教室を活用して開設する。

　これまで、根室市内の知的障がいのある児童生徒は、約二時間かけて釧路養護学校に通学していたが、中標津高等養護学校に小・中学部を設置することで通学時間が約四十分短縮され、保護者負担の軽減が見込まれている。

　小・中学部の教室は、現在の中標津高等養護校舎の一階に設置。寄宿舎も一階のスペースを活用する。高等学部用の設備であるため、階段や洗面台の高さなど、ハード面の整備が必要となる。

　一月三十一日に開かれた教育委員会会議で事務局が設置方針を説明。多くの年齢の児童生徒が同じ学校で生活することで、低学年には年長者に対する目標、高学年には年下への配慮など、情操面の効果を挙げた。

　鶴羽佳子委員は「入学した児童の保護者にとっても、中学・高等部までの見通しをもち、安心感や夢を与えるのではないか」と意見を述べ、そのための配慮が必要と指摘。

　これらの協議を経て、方針を決定した。

(道・道教委 2018-02-02付)