斜里町30年度教育行政執行方針 町内全校でCS導入へ 校務支援システムの整備も(市町村 2018-04-04付)
斜里町教委・村田良介教育長
【網走発】斜里町教委の村田良介教育長は、三月上旬の第一回町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。コミュニティ・スクール(CS)について、知床ウトロ学校に続き、町内の全学校に導入する方針を示した。また、学校施設の整備として斜里小学校と朝日小学校へのICT機器の整備を進めるほか、校務支援システムを全町立学校に導入し、教職員の負担軽減などを図る。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼教育内容の改善と向上
基礎学力の定着として、二十九年度の全国学力・学習状況調査では、全教科全国平均以上という目標に達することはできなかったが、この間に取り組んできた学力下位層の底上げの成果がうかがえた。
これらを踏まえて、教育活動支援講師の配置を継続するほか、三十五人学級に対応する臨時教員を朝日小学校に一人配置するなど、引き続き、きめ細かい学習環境の整備を図る。
学力向上に向けた体制の整備として、町教育課程検討委員会の意見を踏まえて、土曜授業を年八回程度実施し、年間授業時数の確保、斜里らしさあふれる教育活動、土曜日における生活習慣や学習習慣の定着を目指す。また、新たに設置した斜里中学校区学校間連携協議会を中心に、市街地での小中連携教育を推進する。
授業力の向上として、新学習指導要領の完全実施を目前に控え、指導主事による教育課程や学習指導などの専門的事項の指導を行うとともに、各学校での公開研究会開催を奨励し、教員が学び合う環境づくりを進める。
豊かな人間性の育成として、インターネットの利用に伴う課題を児童生徒が認識し、情報を正しく使いこなす力を付けられるよう、学校での指導やPTA研修会の開催など、引き続き関係団体と協力して取り組む。
体力の向上と健康教育として、教員の指導力向上に向けた研修や、各学校における授業づくり、基礎体力づくりの取組を支援する。
特別支援教育の充実として、幼少期からの子どもの成長に合わせた情報が小・中・高校へと引き継がれるよう、個別の支援計画「きずな」を普及するほか、特別支援連携協議会を中心としたネットワークの強化に努める。また、学校現場への特別支援教育支援員の配置の継続や、教員の研修活動の充実を図る。
▼教育環境の向上
様々なケースによる不登校児童生徒への対応体制の強化として、適応指導教室「ひまわり」を引き続き開設して再登校を支援するほか、子どもたちへの虐待などの緊急的なケースに即応するため、スクールソーシャルワーカーを中心に、民生児童委員や福祉部門とも連携して対応する。
教育の機会均等の保障として、引き続き学用品費、給食費などの就学援助を継続し、新入学児童生徒学用品費については入学前支給を行う。また、児童生徒のスクールバス通学の利便性と安全性の向上に努める。
学校施設の整備として、斜里小と朝日小へのICT機器の整備を進めるほか、校務の効率化と教職員の負担軽減のための校務支援システムを全町立学校に導入する。
▼地域と学び合う学校教育の推進
開かれた学校運営の実現として、地域と学校が一体となって子どもたちを育むCSについては、すでに導入した知床ウトロ学校に続き、三十年度に町内全学校に導入する。
ふるさと学の振興として、土曜授業による授業時数の確保や学校力向上事業の活用によって、多くの地域人材を学校に迎えられる環境を整備し、地域をよく知り、地域で自分の力を生かせる人材の育成に努める。また、斜里らしさを学習するために極めて重要な社会科副読本の、三十二年度からの使用に向けた調査・研究作業に着手する。
高校教育の振興として、総合学科の魅力づくりのための授業や、町内外の遠距離通学者への支援のほか、斜里高校振興会への助成を通して、進学やキャリア・アップのための通信講座受講料や資格取得への支援、部活動の全国大会出場支援などを継続して進める。
(市町村 2018-04-04付)
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