札幌市教委 青少年科学館の活用基本構想案 プラネタリウム充実など 学校教育との連携推進(市町村 2018-04-04付)
札幌市教委は、青少年科学館活用基本構想案をまとめた。同館の今後の在り方を明らかにするとともに、展示物や施設整備の更新などに当たっての基本的な考え方を示すもの。構想の視点に「学校教育との連携の推進」などを掲げ、学級・学年単位で活用できるよう実験室を増床することや、プラネタリウムにおいて「雪・氷」の単元など、北海道や札幌らしい新番組を充実させることを盛り込んだ。基本構想は本年度中に策定する予定だ。
青少年科学館は、昭和五十六年、科学および科学技術に関する知識の普及・啓発を通して、創造性豊かな青少年を育成することを目的に開館した。
開館から三十六年が経過し、同館が今後求められる役割や事業の方向性を整理する必要性があることなどから、学校教育との連携の方策などを含めた、展示物や設備の整備・更新の指針となる新たな基本構想を策定することとした。
市教委では、二十六年度に同館を活用した理科教育推進の在り方検討調査などを実施したほか、ことし二月に基本構想策定にかかる有識者会議を設置。学校教育関係者などからの意見をもとに、案をまとめた。
案では、同館の現状と課題として展示物の老朽化と施設全体の統一感の希薄化を提示。二百四十五点ある展示物のうち、設置から二十年を超えるものが全体の四四・一%を占めていることなどを示している。
基本構想の視点については「時代や社会状況を踏まえた展示物や施設整備の機能の充実」「市民の誰もが学べる環境づくり」「学校教育との連携の推進」を挙げた。
視点をもとにまとめた事業展開例では、学校教育連携事業について、①プラネタリウム番組②展示機能③サイエンスホールの機能④実験室の機能⑤貸出用実験・実習セットなど⑥解説や調べ学習のための機能―の充実を掲げた。①では「雪・氷」「火山と地震」といった理科の単元に対応する、北海道や札幌ならではの新番組を充実させることを示した。
②では、自ら操作し実験できる学習効果の高い展示の充実のほか、展示物周辺に学級単位で考察・検証が行える場などの整備を盛り込んだ。③では、百~百二十人を受け入れられる空間を生かし、大型の実験に対応できる機能の充実を掲げた。
④においては、学級・学年単位で利用できるよう実験室を増床することや実験器具の拡充を盛り込んだ。
⑤については、貸出用実験セットなどを充実させ、来館が困難な学校に対する授業支援を進めていく。⑥では、詳細な調べ学習ができるよう、科学に関する図書やタブレットなどを充実することとしている。
このほか、展示事業においては、展示のストーリー性を再構築することを明記。二階の展示物を「天文・地球科学」「雪・氷」「環境」「生命」の四テーマで構成し、宇宙の起源から地球の誕生、札幌の気候へ向かうなど、展示のストーリーをマクロからミクロへと展開していく例を示している。三階の展示については「運動科学」「交通」「化学」「科学原理と変化」のブースを設置し、色分けして展示する案を掲げた。
科学普及啓発事業では、三階にオープンスペースなどを設け、大学などによる講演や企業による展示を行うなど企業・大学との連携を強化していくこととしている。
(市町村 2018-04-04付)
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