黒松内町の３０年度教育行政執行方針　黒松内中でＣＳ導入　町営塾を本格的に実施へ

（市町村 2018-04-11付）

黒松内町教委・内山哲男教育長

　【倶知安発】黒松内町教委の内山哲男教育長は、三月上旬の町議会第一回定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。黒松内中学校でのコミュニティ・スクール導入、町営塾ぶなっこ学習センターの本格実施、歌才ブナ林天然記念物指定九十周年にかかる各種記念事業を進める考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼生きる力の育成

　学校運営の改善・充実や、地域と学校の結びつきに有効なコミュニティ・スクールを黒松内中に導入する。児童生徒の実態に合わせた基礎学力の定着と学習意欲の向上のため、町営塾を本格実施し、その充実を図る。

　環境整備については、多様な学習と子どもの能力に応じて自在にＩＣＴを活用しながら授業づくりを行い、学習面と校務面の両面で積極的な活用を図る。小学校における英語の教科化に向けて円滑な移行を進めるとともに、外国語講師を一人増員し、国際交流協力員と連携し対応する。

▼地域とともにある教育の推進

　コミュニティ・スクールは、黒松内中を推進校として、すでに取り組む学社融合共通理解事業や地域学校協働本部等を踏まえ、学校と地域との組織的・継続的な連携・協働体制を確立する。

　町には本物で学ぶことができる教育素材の資源が多くある。学校における系統的で継続的な学習を展開するために必要な情報を提供し、小中連携した教育を推進しながら、自ら育った黒松内のよさを実感する児童生徒を育成する。

　町に防災専任職員が新たに配置されることから、担当課と連携しながら、各学年に応じた防災教育の推進を進める。

　いじめ根絶に向け、いじめ防止基本方針のもとに子ども会議を開催する。また、関係機関と連携し、アンケート調査や教育相談などを定期的に実施する。

▼生涯学習の推進と文化振興

　子どもたちの成長にとって大切な原体験や様々な人々とのふれ合いが不足するなどの課題が生じていることから、親子ふれ合い事業や読書活動を取り入れた幼児期の家庭教育支援事業の継続開催、ＰＴＡなどとの連携による早寝早起き朝ごはん運動を推進する。

　地域全体で子どもを育てる環境教育を推進するため、ブナセンターなどの学習施設や里地里山、朱太川などの自然資源を活用した各種事業を展開する。

　子育て世代の子どもの将来の教育についての不安を少しでも解消するため、地域の教育力を活用しながら、町営塾「ぶなっこ学習センター」を東京理科大学の協力を得て本格的に実施する。

　ブナセンターは環境教育と体験型の交流を担っている。ことしは町のシンボルでもある歌才ブナ林が天然記念物指定九十周年を迎えることから、各種団体の協力を得て関連事業を開催する。記念セレモニーを含むキックオフイベントを皮切りに天然記念物に指定された十月二十二日前後を記念週間と位置付け、百周年に向かう一歩として、子どもたちとまちづくりの視点をもち、ブナ林観察会やフォーラムなど各種記念事業に取り組む。

(市町村 2018-04-11付)