利尻富士町30年度教育行政執行方針 小中連携教育の取組開始 学習指導へ鴛泊小に支援員
(市町村 2018-04-10付)

利尻富士町石川武弘
利尻富士町教委・石川武弘教育長

 【稚内発】利尻富士町教委の石川武弘教育長は、三月上旬の町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。利尻小学校に特別支援学級を追加設置するとともに、鴛泊小学校で学習指導補助に重点を置いた支援員を新たに追加して個別の教育的ニーズに対応できるよう努めていく考えを示した。また、小中併置校の利尻小学校・鬼脇中学校において、小中九ヵ年での児童生徒の成長を見通した学校行事や教育活動に取り組む意向を表明した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼社会で生きる実践的な学力を育成する教育の推進

▽特別支援教育の推進

 本年度、利尻小に新たに特別支援学級を追加設置する。中学校二校において二学級がすでに開設されており、町内小・中学校では五学級五人への支援に学校・教育委員会が一体となり取り組む。

 昨年に引き続き、鴛泊小と利尻小に特別支援教育補助員を配置する。また、本年度新たに鴛泊小へ学習指導補助に重点を置いた支援員を追加し、一人ひとりの教育的ニーズに対応できるよう努めるとともに、普通学級児童生徒との相互理解の促進や、地域住民に対する特別支援教育の啓発に努める。

▽へき地複式教育の推進

 利尻小と鬼脇中は新校舎完成によって、小中併置校として新しい歴史を刻むこととなった。小中併置校の利点を生かし、小中九ヵ年での児童生徒の成長を見通した学校行事や教育活動に取り組み、入学式や卒業式などの儀式的な行事はもちろん、運動会、学校祭などの大きな行事、日常的な集会活動や清掃活動を小中合同で行いながら、心豊かな児童生徒の育成に努める。

▽ふるさと教育の充実

 町内小学校六年生を対象とした、北海道エアシステム(HAC)の協力による利尻島上空遊覧飛行体験や、特産品の育成から販売に至るまでの調べ学習などのふるさと教育活動を通して、郷土の課題や展望について進んで考え、自らが生まれ育ったふるさとに愛着をもち、ふるさとのよさを生かすことのできる人材育成に取り組み、ふるさとを大切にする人づくりを進めていく。

▽国際理解教育の充実

 新学習指導要領に対応できる教員の積極的な研修参加や外国語指導助手(ALT)の継続配置など、学校指導体制の充実に努める。利礼三町で活躍するALTの指導を仰ぎ、広い視野をもち、異文化を理解するとともに、ともに生活していく資質や能力の育成を図ることを体験的に学ぶサマー・イングリッシュキャンプ事業を継続実施する。

▽道徳教育の充実

 いじめはどの子どもにも、どの学校にも起こり得るものであることを踏まえ、積極的な認知と情報共有の徹底を促すとともに、いじめ防止の取組を徹底するための研修の充実や、児童生徒に対しては早期発見・早期対応の徹底を図り、児童生徒が楽しく学びつつ、生き生きとした学校生活を送れるよう道徳教育の推進に努める。

▽体験的な活動の充実   学校外での多様な体験活動の促進を図り、児童生徒の豊かな人間性や社会性を育むことにつながるようにするため、学校教育担当部局と社会教育担当部局が一体となった取組を進めていく。

▼安心・安全な教育環境の整備と支援の推進

 児童生徒に対し、交通安全講習会、防災訓練、防犯研修を行い、防犯・防災に対する意識を啓発する。

 子どもの望ましい基本的生活習慣を育成し、生活リズムを向上させ、読書や外遊び・スポーツなど様々な活動に生き生きと取り組んでもらうとともに、地域全体で家庭の教育力を支える教育環境の整備を図る。

▼生涯学習の充実と文化・スポーツ活動の振興

▽青少年の健全育成

 放課後子供教室推進事業を推進するとともに、週末や休日などに体系的な体験プログラムを提供する土曜教育支援活動を推進し、バドミントン教室、書道教室、水泳教室、かるた教室など、有意義な休日の過ごし方を支援する。

 長期休業時に道教育大学旭川校や利尻高校の協力を仰ぎ、夏休みチャレンジ教室、冬休みチャレンジ教室を継続して開催する。

▽文化・芸術活動の推進

 南浜獅子神楽の保存伝承を継続し、保存会の協力を得ながら町内小学生による活動を推進する。

 会津藩北方警備ゆかりの地交流都市宣言十周年を迎えることし、会津若松市の児童が来島することから、本町および利尻町児童との交流事業を実施する。

(市町村 2018-04-10付)

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