松前町の30年度教育行政執行方針 小中一貫教育制度を導入 ALT1人から2人体制に(市町村 2018-04-10付)
松前町教委・宮島武司教育長
【函館発】松前町教委の宮島武司教育長は、三月上旬の定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。コミュニティ・スクールの導入について「現在の三小学校と一中学校を維持しつつ、四校の教職員が一体となって小中九年間の一貫した教育活動を行うため、小中一貫教育制度を導入していく」との方針を示した。小学校における外国語活動などの時数増加への対応では「外国語指導助手(ALT)を一人体制から二人体制とし、中学校英語への円滑な移行を図る」との考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育
三十年度から町内全小・中学校、地域住民と保護者が一体となって学校運営に取り組む学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を設置するとともに、現在の三小学校と一中学校を維持しつつ、四校の教職員が一体となって小中九年間の一貫した教育活動を行うため、小中一貫教育制度を導入していく。
学力向上については、全国学力・学習状況調査の結果、小・中学校とも学力の向上がみられ、引き続き学力向上対策委員会が策定したアクションプランに基づき、教師の授業力向上と生活リズムの改善による「松前っ子三リズム」の完全定着を柱に基礎学力の向上に取り組んでいく。併せて、習熟度の低い子どもへの個別支援のため、現在配置している学習支援員を二人から三人に増員し、障がいをもっている子どもの学習や学校生活をサポートする特別支援教育支援員を引き続き学校に配置する。
学習指導要領の改訂によって三十二年度から小学校の五・六年生に外国語科、三・四年生には外国語活動が導入されるため、先行して三十年度から外国語指導助手(ALT)を一人体制から二人体制とし、中学校英語への円滑な移行を図る。
書道教育については、小中一貫教育制度の導入によって、書道を軸となる教科として組み入れ、書道教育推進会議や松前高校と連携し、小中高を通し、書の日常化を進める。
夢と文化を創造し学校づくりを推進する松前高は、書道教育、松前学、国際教育を柱とする教育を進めており、日本に留学している高校生を招へいしての国際交流教育活動事業への支援、通学定期券購入費、下宿費および見学研修旅行費に対する補助を継続する。
生徒が希望の進路を実現するための対策として、公務員対策講座の開設や進学のためのスタディサプリ高校講座の利用経費および受験するすべての生徒を対象にした各種資格取得に要する経費に対する補助を継続して行い、保護者の負担軽減と松前高の魅力ある学校づくりを支援する。三十年度は、さらに事業を広くPRするため、パンフレットの増刷とポスター作成に対して補助していく。
子どもたちのいじめの問題は、子どもたちのささいな変化や兆候であっても、いじめとの関連を常に意識し、緊張感をもって取り組むことが求められている。当町では子どものいじめ防止条例を基本に、子どもたちが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくるため、学校・家庭・地域・行政が連携し、いじめが許されない行為であることを理解させるとともに、いじめの早期発見・早期解決に努める。
▼社会教育
将来を担う子どもたちの育成など、家庭や地域の教育力の低下が指摘される中、多様化した社会に対応できる人づくりを目指すために、地域全体で学ぶ環境づくりが求められていることから、前年度に策定した第六次社会教育中期計画に基づき、社会教育事業を推進していく。
家庭教育を高めるためには、子育てや家庭教育をサポートする的確な情報を提供する場が必要であり、保護者を対象に引き続き子育て応援セミナーを開催し、家庭教育の向上に努める。
未就学児を対象とした異文化交流体験事業として、英語による童話の読み聞かせなどを実施し、親子で楽しめる国際的な感性を育むための身近な環境づくりに取り組んでいく。
近年、インターネットやSNSによる個人情報の漏えいなどのトラブルが社会問題となっている。青少年の非行防止と健全育成に取り組むために、町青少年健全育成連絡協議会など関係団体と連携を密にしながら、ネットトラブルの未然防止や、正しく自己主張できる人づくりを目指し、あいさつ運動や少年の主張大会の開催に取り組む。
町立図書館については、将来に向けて安定した運営をしていくために、四月から、これまでの民間委託から直営で実施することにした。これまでの事業を引き続き実施していくとともに、学校連携やコミュニティの場としての役割を目指していく。
重要無形民俗文化財の指定を受ける松前神楽については、北海道百五十年事業への参画をはじめ、町長部局と連携を図り、全国に向けて積極的なPRに努めていく。
(市町村 2018-04-10付)
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