30年度空知管内教育推進の重点 空知局が管内公立学校長等会議開く 協働・共育・共生を柱に ふるさと空知へ愛着と誇りを(道・道教委 2018-04-19付)
竹林局長は、学びの質の向上に向けた取組の重点を示した
【岩見沢発】空知教育局の竹林亨局長は十三日、岩見沢市自治体ネットワークセンターで開かれた管内公立学校長等会議で三十年度管内教育推進の重点を説明した。「協働・共育・共生による学びの質の向上」をキーワードに、「教育効果を高めるカリキュラム・マネジメントに基づく“協働”」「指導方法の改善・充実に基づく“共育”」「学校間や学校と地域間の連携に基づく“共生”」の三点を提示。「子どもたちが将来に向かって夢や希望を描き、生まれ育ったふるさと空知に愛着と誇りをもつための取組に一層の尽力を」と呼びかけた。
管内教育推進の重点はつぎのとおり。
【はじめに】
三十年度の重点について、基本的な考え方を申し上げる。
道の基本姿勢は教育行政執行方針で、
▽子どもたちの学力・体力の向上、望ましい生活習慣の定着、いじめや不登校への対応、安全・安心な教育環境の整備
▽北海道百五十年を踏まえ、本道の歴史や文化、芸術等への理解を深める取組の推進
―としている。
「目指す子どもの姿」「目指す地域の姿」「キーワード」「空知管内教育推進のスローガン」は、学校・家庭・地域がより一体となった連携・協働によって、一層子どもたちの学びの質を高めることを目指し継続している。
それでは、本年度のキーワード「協働・共育・共生による学びの質の向上」を踏まえた三つの重点と、その取組の方向性および具体的な取組内容について説明する。
【推進の重点1「教育効果を高めるカリキュラム・マネジメントに基づく“協働”」】
評価の公表や諸調査の結果分析を踏まえた日常の授業改善、カリキュラム・マネジメントによる教育課程の改善についての取組の充実が求められることから、各学校においては、学力向上、体力向上、望ましい生活習慣の定着などに向けた取組を継続することはもとより、カリキュラム・マネジメントに基づく取組を充実させ、学校全体が一丸となって推進していただきたく「教育効果を高めるカリキュラム・マネジメントに基づく“協働”」とした。
また、各学校での取組の方向性として、
▽各学校の課題・実情を踏まえた学校経営プラニングシートなどを活用し、組織的・計画的に取り組む
▽学校評価を効果的に活用し、学校運営の継続的な改善・発展を図る
▽社会に開かれた教育課程の実現を目指し、カリキュラム・マネジメントを実践する
―ことを示している。
なお、重点1に関する具体的な取組内容として、
▽学力、体力、生活習慣、いじめ・不登校などについて、現状や課題、改善に向けた方向性、数値目標や取組、取組の検証と改善などの学校の対応について分かりやすく公表する
▽全国学力・学習状況調査や新体力テスト、ほっかいどうチャレンジテスト等を組織的・計画的に実施(採点・集計を含む)・分析し、学校全体で日常の授業改善に役立てる
―など五点を示している。すべての学校で取り組むようお願いする。
とりわけ「学校関係者評価等の定期的な実施と結果および改善方策の公表」については、地域への説明責任を果たし地域からの学校運営への参画を促すため、年間を通して定期的に複数回実施し、評価結果はもとより改善方策と改善状況についても広く公表すること、「社会に開かれた教育課程の実現」については教科横断的な視点による指導計画などの作成、PDCAサイクルの確立、人的または物的な教育資源の確保など、全教職員でカリキュラム・マネジメントに取り組み家庭・地域と共有することなど、「教育効果を高めるカリキュラム・マネジメントに基づく“協働”」を意識・徹底いただくようお願いする。
教育局としては、引き続き岩見沢市、滝川市における学校力向上に関する総合実践事業の取組の改善・充実に向けた支援や、滝川市における授業改善推進チーム活用事業、芦別市、赤平市、上砂川町における授業改善等支援事業の取組の成果を積極的に発信するなど、校長会などと連携を深めながら各学校の取組の充実に向けた支援に努めていく。
【推進の重点2「指導方法の改善・充実に基づく“共育”」】
主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善や児童生徒理解、特別支援教育の充実に向けた研修、若手育成のメンター研修などについての取組の充実が求められていることから、各学校においては、学習指導、生徒指導、特別支援教育に関する研修の実施はもとより、授業改善の質的向上に基づく取組を一層充実していただきたく、継続して「指導方法の改善・充実に基づく“共育”」としている。
また、各学校での取組の方向性として、
▽全教職員で子どもたちの質の高い学びを引き出す主体的・対話的で深い学びの実現に取り組む
▽地域の学校(幼・小・中・高・特)が連携して一貫した教育課程を編成・実施し、学びのつながりを深める
▽教職員のキャリアステージに応じて身に付けるべき資質能力を育む効果的な研修を充実する
―ことを示している。
なお、重点2に関する具体的な取組内容として、
▽管理職などが日常的に授業参観や授業について面談を行うとともに、教員が互いに授業を見合うなど、授業力を高める取組を行う
▽全校で、児童生徒による授業評価を定期的・計画的に実施するとともに、その結果を踏まえ指導方法の工夫・改善を図る
―など、四点を示しており、すべての学校で取り組むようお願いする。
とりわけ「校内研修や職場研修の改善・充実」について、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、「特別の教科 道徳」における指導方法、評価に関する研修を充実するとともに、ワークショップ型の導入など全員が参加できる研修内容の工夫などの「指導方法の改善・充実に基づく“共育”」を実現する取組を充実していただ
くようお願いする。
教育局としては引き続き、局独自研修「授業改善セミナー」を算数・数学、
道徳、外国語活動で実施するとともに、学校経営訪問および学校訪問の実施方法・内容面の工夫・改善など、校長会などと連携を深めながら、各学校における授業改善に向けた支援に努めていく。
【推進の重点3「学校間や学校と地域間の連携に基づく“共生”」】
コミュニティ・スクールにかかわる取組の充実が求められることから、各学校において家庭や地域との学校の教育目標やビジョンなどの共有はもとより、学校間や学校と地域間の連携を充実させ、目指す子ども像の実現に向けて、学校運営のさらなる改善を推進していただきたく、継続して「学校間や学校と地域間の連携に基づく“共生”」としている。
また、各学校での取組の方向性として、
▽学校、家庭、地域が連携しながら、教育の目的を共有し、子どもの資質・能力の育成
▽子どもの社会的・職業的自立に向け、地域全体でのキャリア教育の充実
▽地域との連携・協働体制を構築し、コミュニティ・スクールの取組の充実
▽子どもの学びをともに支え合う体制づくりに向けた、家庭、地域向けの研修・会議等の充実
―を示している。
なお、重点3に関する具体的な取組内容として、
▽生活リズムチェックシートの活用などによって、PTA等と連携・協働しながら、家庭における望ましい学習習慣(家庭における学習時間)や生活習慣(早寝早起き朝ごはん、読書)の定着に向けて取り組む
▽家庭や地域社会が教育の場として機能を発揮するよう、地域で学習支援を行う子ども未来塾等を拡充する。
―など、五点を示しており、すべての学校で取り組むようお願いする。
とりわけ、コミュニティ・スクールに向けては、教職員や地域住民等を対象とした研修会などの機会を充実していただくこと、キャリア教育の推進に向けては、地域の企業と連携した職場体験活動の実施や学校全体でのキャリア発達を促す取組の推進など「学校間や学校と地域間の連携に基づく“共生”」を進めていただくようお願いする。
教育局としては、PTAなどと連携を図った空知親学セミナーの充実や、三笠市、栗山町、岩見沢市、浦臼町、美唄市など、コミュニティ・スクールの取組を推進している市町の先進事例を発信するなど、校長会などと連携を深めながら、各学校を支援する情報発信に努めていく。
【終わりに】
変化の激しい社会において予測できない未来に対応するためには、社会の変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合ってかかわり合い、その過程を通して、自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を一人ひとりが自ら創り出していくことが重要である。
そのためには、子どもたちが身近な地域を含めた社会とのつながりの中で、自らの人生や社会をよりよく変えていくことができるという実感を得る学びを実現する必要があり、このことは地域を愛し支える人材の育成に直接つながるものである。
教育局としては、各学校がチームとなって教育活動を推進することはもとより、地域の未来を担う子どもたちは地域全体で守り育てていくという観点に立って、学校・家庭・地域・行政の一層の連携・協働によって、教育環境の充実を図っていくことが大変重要であるという思いを込め、本年度の空知管内教育推進の重点を策定した。
校長の皆さんには、強力なリーダーシップのもと、社会に開かれた教育課程の実現に向け、教育効果を高めるカリキュラム・マネジメントを実践するとともに、学校の大きな応援団となる地域の力を束ね、子どもたちが将来に向かって夢や希望を描き、生まれ育ったふるさと空知に愛着と誇りをもつための取組に、一層の尽力をお願いする。
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(道・道教委 2018-04-19付)
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