教育環境整備に目配りを 道特長総会の宮崎会長あいさつ(関係団体 2018-05-14付)
宮崎会長は全教職員の使命である2点にふれた
道特別支援学校長会の三十年度総会・春季研究協議会初日(八日、ホテルライフォート札幌)における宮崎真彰会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
本年度は、十二人の新会員と三人の再任用校長が加わり、七十二校、六十三人の校長会となった。新採用となった校長には、最終責任者として自分の学校像を追求していただくよう、活躍を期待している。また、再任用の校長においては、これまでの経営手腕を発揮して、学校課題に取り組んでいただきたい。
このあとの総会では、前年度の総括と本年度の活動計画について協議していただくが、特別支援教育を取り巻く最近の課題は、多様性への対応といった質的な変化が顕著になってきたと感じている。
特に、本年度は学習指導要領の移行のほか、四月には道総合教育大綱、道教育推進計画、特別支援教育に関する基本方針の策定と、学校経営を導く骨格が相次いで発表された。
学校現場は山積する諸課題に対し組織力で対応しているが、組織を構成する人については「人は背景を理解し納得しなければ動かない」と言われるように、ここに学校経営の肝があるのではないか。
そこで、各施策をとらえ、各校、各地域の実情に応じた学校経営を進めるため、すべての教職員の使命である二点についてお願いしたい。
一つは、教育公務員としての使命である。
職員はそれぞれの経験や役割の違いもあって、各施策の理解に違いはあるが、我々は教育の目的に向かって、学校という場で児童生徒を育成する。教育の目的は、教育基本法第一条にある「人格の完成を目指すこと」「平和的な国家および社会の形成者の育成」である。
この四月、新採用者が着任した学校では、宣誓式を行ったことと思うが、あらためて署名した宣誓書には何が書かれているのかを指導することが第一歩である。
学習指導要領は、十年先の姿を見据えた教育の在り方について示したものであるが、総則の前文には「わが国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される」、そして「予測困難な時代となっている」とある。
本道の教員育成指標も示されたが、社会が大きく変化していく中で、教員自身にとって不易と流行を踏まえた研修が必須であり、キャリア形成を図る必要性がある。
教職員を志した動機はそれぞれだが、予測困難な時代に向かうからこそ、校長はこれまで以上に自校の進む道を、児童生徒、保護者、教職員、地域に語るとともに、使命・情熱をもって、幼児児童生徒を導く教職員を育成していかなければならないと思う。
使命の二つ目は、特別支援教育を通した共生社会の形成である。
このたびの学習指導要領は、特殊教育から特別支援教育に転換して初めての改訂である。前文には「多様性を原動力とすること」「質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出すことへの期待」とある。また「よりよい教育を通して、よりよい社会を創るという理念を学校と社会が共有し」とあり、共生社会の形成に向けた心強い視点が示されている。
道総合教育大綱では「社会で自立しともに支え合う」が柱の一つとなっており、特別支援教育に関する基本方針では、特別支援教育の充実に関する方向性や施策が示された。本会としても、方針に沿って推進していきたいと考える。
併せて、社会貢献、国際貢献という言葉もよく聞くようになった。貢献は働くことに結び付きやすいが、障がいのある人も含め、多様な人たちが存在することそのものが成熟した社会の姿であり、その姿をもって共生社会の形成に貢献しているのだと思う。インクルーシブ教育システムや交流および共同学習を地域で展開する意義がここにある。
以上、二点の使命について、学校課題、地域課題をとらえるようお願いしたが、最後に、管理職の大幅交代期の中にあって、教職員の服務や健康などの危機管理についてお願いする。
社会の変化に対応し、教職員自身も多様な課題に困惑している状況にある。また、働き方も変化しており「子どもたちのために」は教育の大義ではあるが、我々自身が社会人のモデルとして子どもたちに働く姿をみせている側面もある。
学校評価や人事評価制度、ストレスチェック制度を活用して、教職員のパフォーマンスが発揮された教育環境の整備にも目配り、心配りをお願いしたい。
本道の特別支援教育の課題は多岐にわたっているが、不易と流行を踏まえて、校長がつながることで、最適解が導かれると考えている。本年度の推進をお願いする。
(関係団体 2018-05-14付)
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