道教委が児童等の健康状態調査 食物アレルギーは過去最高 アトピー性皮膚炎も全国上回る
(道・道教委 2018-06-04付)

1面、表
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 道教委は、二十九年度公立学校児童等の健康状態に関する調査報告書をまとめた。食物アレルギーの子どもの割合は、すべての学校種において、調査開始以来最も高い結果となった。アトピー性皮膚炎の割合については、全国と比較して五歳から中学校三年生までは二倍以上、高校生では約三倍、男女ともに高くなっていることが分かった。

 調査は、道内の児童、生徒および幼児の健康状態に関する実態を把握し、今後の学校保健の推進に資することを目的に昭和五十三年から三年ごとに実施している。

 二十九年十~十二月を調査期間とし、道立・市町村立の幼稚園等(幼稚園、認定こども園)、小学校等(小学校、義務教育学校前期課程)、中学校等(中学校、義務教育学校後期課程、中等教育学校前期課程)、高校等(高校、中等教育学校後期課程)、特別支援学校に在学する幼児児童生徒を対象に調査した。

 調査結果では「むし歯の者」の割合が全国と比較すると、すべての学校種において上回った。

 一方、主な疾病・異常等の推移をみると「むし歯の者」「未処理歯のある者」の割合は、すべての学校種において、調査開始以来最も低い結果となった。

 アレルギー疾患の割合をみると、アレルギー性鼻炎の子どもは、幼稚園等が二・六五%、小学校等が一〇・二二%、中学校等が一三・一五%、高校等が一五・八三%、特別支援学校が一九・七七%となっており、幼稚園等を除くすべての学校種において増加傾向。食物アレルギーの子どもは、幼稚園等が前回より〇・三七ポイント高い五・九四%、小学校等が一・三一ポイント高い八・九八%、中学校等が一・九二ポイント高い一〇・八五%、高校等が二・一二ポイント高い一〇・二四%、特別支援学校が二・〇四ポイント高い一〇・〇九%と、すべての学校種において増加しており、いずれも調査開始以来最も高い結果となった。

 アトピー性皮膚炎の割合については、幼稚園等が五・九七%、小学校等が七・二七%、中学校等が六・二九%、高校等が七・一一%、特別支援学校が八・二四%。すべての学校種において増加傾向にあるほか、全国と比較してすべての学年において全国を上回っており、五歳から中学校三年生までは二倍以上、高校生では約三倍、男女ともに高くなっている。

 ぜん息については、すべての学年において全国を上回っており、中学校は二倍以上、高校では三倍以上、男女ともに高くなった。 

 道教委では「今後も、知事部局や道歯科医師会などと連携し、フッ化物洗口の実施に向けた働きかけを行うとともに、各学校において保健教育やアレルギー疾患への対応が組織的・計画的に行われるよう、教職員を対象にした各種研修に取り組むなど、道内の子どもたちの健康の保持・増進に努めたい」としている。

(道・道教委 2018-06-04付)

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