道教委が公立高校配置計画案発表 31年度、幕別町に新設校 2校で地域連携特例校導入
(道・道教委 2018-06-06付)

教育版18.6.5面修正
公立高校配置計画案(クリックすると拡大表示されます)

 道教委は五日、公立高校配置計画案を発表した。三十一~三十二年度計画の変更では、三十一年度に幕別高校を募集停止して新設校を設置するほか、教育環境の維持向上のため、夕張高校と松前高校に地域連携特例校を導入する。三十三年度の計画では、大空町で道立女満別高校と町立東藻琴高校を再編。新たに町立の総合学科校を設置する。南幌高校は、中卒者数の状況、地元からの進学率などを総合的に勘案し、募集停止とする。

 計画案では、二十九年度決定の三十一~三十二年度計画を一部変更するとともに、三十三年度計画を新たに策定。併せて、三十四~三十七年度の見通しを示した。

 中学校卒業者数の見通しとして、三十一年が前年比五百六十五人減の四万四千二百六十五人、三十二年が一千七百五十三人減の四万二千五百十二人、三十三年が一千五百十一人減の四万一千一人と推計。その後も総じて減少傾向にあると見込んでいる。

 三十一~三十二年度計画の変更点をみると、三十二年度に学級減と併せて学科転換する五校について、深川東高校では流通経済科・情報処理科を総合ビジネス科に、函館工業高校では電気科・情報技術科を電気情報工学科に、大野農業高校では農業科・園芸科・生活科学科を農業科学科と園芸福祉科に、富良野緑峰高校では情報ビジネス科と流通経済科を総合ビジネス科に、名寄産業高校では電子機械科と建築システム科を機械・建築システム科に転換することを示した。

 また、釧路工業高校については、三十二年度に電子機械科を学級減することとした。

 三十一年度に幕別町内の私立江陵高校が募集停止になることや地域の要望などを勘案し、幅広い教育課程の編成・実施を図る観点から、幕別高を募集停止して新設校を設置する。

 同じく三十一年度、教育環境の維持向上のため、夕張高と松前高に地域連携特例校を導入。夕張高の協力校は岩見沢東高校、松前高の協力校は函館高校と函館稜北高校の再編によって三十一年度に設置する新設校となる。

 三十二年度、岩内高校の事務情報科を地域産業ビジネス科に学科転換するとともに、生徒の多様な興味・関心や進路希望などに応じた主体的な学習が可能となるよう、転換後の学科に単位制を導入する。

 三十三年度の計画案をみると、各学区ごとに中卒者数を基礎とし、生徒の進路動向や学校・学科の配置状況などを総合的に勘案し、札幌真栄高校で一学級の増、滝川高校など十六校で十七学級の減を行う。

 南幌高は、中卒者数の状況、学校規模、募集定員に対する欠員状況、地元からの進学率などを総合的に勘案し、募集停止とする。

 地域からの要望を考慮し、大空町において道立全日制課程の女満別高と町立定時制課程の東藻琴高を再編。町立の全日制、総合学科校を新設する。道立と市町村立の高校が統合し、市町村立の高校が誕生するケースは初めてとなる。

 苫小牧工業高校定時制に関しては、五月一日現在の第一学年の在籍者が十人未満となり、その後も生徒数の増加が見込まれない学科があることから、学科を再編整備する。

 地域連携特例校である蘭越高校・虻田高校・苫前商業高校・常呂高校・阿寒高校、福祉に関する学科を設置する置戸高校は、高校の教育機能の維持向上に向けた具体的取組とその効果を考慮し、再編整備を留保する。

 道教委は、五日の教育委員会会議と道議会文教委員会で計画案を報告した。

 今後、道議会での議論や七月に開く第二回公立高校配置計画地域別検討協議会で聴取した意見をもとにさらに検討を進め、九月に成案をまとめることとしている。

(道・道教委 2018-06-06付)

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