不祥事防止へ取組確認 各地でコンプライアンス確立会議
(道・道教委 2018-06-07付)

空知局コンプライアンス確立会議
重点取組として、職場研修を年に複数回開くことなどを挙げた

◆空知局 

 【岩見沢発】空知教育局は五月下旬、空知合同庁舎でコンプライアンス確立会議を開いた。竹林亨局長、平瀬一弘次長のほか、管内市町教育長、小・中学校や、道立学校の校長など八人が出席。本年度の重点目標として、「体罰の根絶」「交通違反・事故の防止」に加え、新たに「個人情報の紛失、流出または盗難の防止」を設定し、不祥事防止に取り組んでいくことを確認した。

 教職員の不祥事等の再発防止に向けた取組に関する意見や情報を交換し、管内の状況に応じたより実効性のある再発防止策を講じることを目的としている。

 冒頭、あいさつに立った竹林局長は「それぞれの所属で不祥事をゼロにすることが所属長の責任」と強調。すべての所属長が責任を自覚し、徹底していく重要性を説き、今回の会議によってさらなる連携・協力、交流が図られるよう期待した。

 続いて、事務局が管内の不祥事等再発防止に向けた取組や学校職員の懲戒処分状況を説明。二十九年度の体罰に関する実態把握、要因分析についても報告した。

 このあと、二十九年度の重点目標「体罰の根絶」「交通違反・事故の防止」にかかる取組状況をテーマに意見を交換。本年度は、二十九年度の二点に、「個人情報の紛失、流出または盗難の防止」を追加。重点取組として、職場研修を年複数回開催するとともに、特色ある取組を一校一実践で行うこととした。

◆渡島局

 【函館発】渡島教育局は五月二十八日、渡島合同庁舎で管内コンプライアンス確立会議を開いた。五十嵐晋局長をはじめ、教育関係者合わせて十人が出席。教職員の不祥事等の再発防止に向けた取組について、意見交換や情報交換などを行い、各市町の状況に応じた再発防止策に向けて、意識の統一を図った。

 はじめに、五十嵐局長があいさつ。各市町における教職員の不祥事の防止を呼びかけるとともに「各校の信頼される学校づくりに向けて、教育局としても引き続き支援を継続していきたい」と述べた。

 続いて、内山史彦企画総務課長が前年度の道内における不祥事や交通事故の発生件数、懲戒処分件数の推移のほか、管内別のデータを提示した。

 特に、体罰への対応について「各研修などで指導は行われているが、職員個別に対する研修の実施が必要」と指摘した。

 また、本年度の管内おけるコンプライアンス確立に向けた取組案を示し、重点取組項目として、前年度と同様、①交通事故・違反の撲滅②重大事案(わいせつ・飲酒運転)の撲滅③体罰の撲滅―の三点を掲げた。

 その上で「一学校一標語の作成」「個別研修の徹底」「軽微な事故・違反を含めた事故報告の提出」「メール・LINEなど児童生徒との連絡にかかわる事故防止徹底」の四点に取り組んでいくこととした。

 協議では、出席者から「体罰調査で、直接的なもの以外にも、教師の言葉による暴力や不適切な指導に関する調査事項も組み込んでほしい」などの意見が挙がった。

 最後に、五十嵐局長が「各校が保護者・地域から信頼される学校づくりに取り組めるよう、支援につなげていきたい」と述べた。

◆宗谷局

 【稚内発】宗谷教育局は五月中旬、宗谷合同庁舎で管内コンプライアンス確立会議を開いた。会議構成員十七人が出席。教職員の不祥事等の再発防止に向け、本年度の重点取組について協議した。

 はじめに、宮岡孝博局長があいさつ。「不祥事の防止に向け、教職員の心に届く効果的で実効性のある方策について議論し、不祥事の撲滅に向けて共通理解・共通認識を図っていきたい」と呼びかけた。

 続いて、佐藤武仁教職員係長が二十九年度の懲戒処分等の状況や不祥事防止対策の取組について報告。宗谷管内の懲戒処分件数は四件で、全道に占める割合は三・八%と留萌・檜山管内のつぎに低い数値であることを示しつつ、「宗谷は教職員数が少ない管内であることを考慮すると決して楽観視できる数字ではない」と強調。その上で、不祥事防止のためには「コンプライアンス確立月間だけではなく、継続してコンプライアンスについて徹底を図る取組が必要」と訴えた。

 引き続き、佐藤教職員係長が本年度の重点取組などの案を説明。①交通違反・事故防止の徹底~速度違反・飲酒運転の根絶②金銭事故の防止③体罰の根絶―の三点を重点取組として盛り込む考えであることを説明した。

 意見交換では「各校長や教員が自分事として受け止めて職務に当たることが大事。様々な研修の機会を通じて意識の浸透を図っていきたい」などの意見が挙がった。

◆オホーツク局

 【網走発】オホーツク教育局は五月三十日、オホーツク合同庁舎で三十年度管内コンプライアンス確立会議を開いた。管内の教育関係者九人が出席。不祥事の発生防止に向けた取組などについて協議し、情報を共有した。

 冒頭、松本邦由局長があいさつ。前年度の管内教職員の懲戒処分件数が一昨年度と比べ大幅に増加したことにふれ、「学校教育は、児童生徒や保護者、地域住民との信頼関係の上に成り立つもので、それらを損なう学校職員の不祥事はあってはならない」と強調。「きょうの会議は不祥事の防止に資するものとしていきたい」と呼びかけた。

 続いて、福原武郎教職員係長が学校職員の懲戒処分件数、前年度のコンプライアンス確立月間の取組などについて説明した。

 このあと、前年度の管内における教職員懲戒処分十一件の中でも顕著だった法定速度違反をはじめ、セクハラ、体罰など不祥事の発生防止に向けた取組について協議。

 「繰り返し注意喚起することが大事」「不祥事を起こす職員は、乱暴な言葉を使うなど前兆がある場合もある」「風通しのよい職場づくりをしていくことが重要」などの意見が挙がっていた。

 また、本年度の管内不祥事再発防止に向けた重点目標を、①飲酒運転の根絶および交通違反・事故の防止②体罰の根絶③わいせつ・セクハラの根絶―の三点とし、重点的な取組について「実効性のある校内研修を年三回以上実施するなど反復継続的な服務規律のかかる取組の推進」「各学校の実態に応じた独自の取組の実施」とすることを決定した。

この記事の他の写真

渡島局コンプライアンス確立会議
信頼される学校づくりに取り組むことを確認
宗谷局コンプライアンス確立会議
不祥事根絶に向けて意見を交わした
オホーツク局コンプライアンス確立会議
飲酒運転根絶など3点を重点目標に掲げた

(道・道教委 2018-06-07付)

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