道教委が社会教育セミナー 担い手育成をテーマに 地域団体との関係性議論
(道・道教委 2018-06-07付)

 道教委は五月三十一日から二日間、札幌市内のかでる2・7で三十年度道社会教育セミナーを開いた。社会教育関係者約二百四十人が参加。トークセッションでは、地域づくりの担い手育成に関する調査研究をテーマに、地域団体と社会教育担当者の関係性などについて意見を交わした。

 地域づくりや人づくりを推進する生涯学習・社会教育の中核を担う社会教育主事等の専門性を高めるとともに、関係する行政職員(生涯学習関連施設を含む)や社会教育委員など各種委員、社会教育団体関係者などが一堂に会し、地域の生涯学習・社会教育推進上の課題とその解決に向けた方策について理解を図るもの。

 多くの参加者に学びの場を提供できるよう、本年度は、初日の様子を別海町マルチメディア館、二日目の様子を根室市総合文化会館にそれぞれライブ配信した。

 初日の開会式では、大川祐規夫生涯学習推進局長があいさつ。地域住民自らが地域のよさや課題について学び、地域活動を行う「学び」と「活動」の循環を促す前年度の研究成果を踏まえ「それぞれの市町村において地域課題の解決に向けた取組を一層促進してほしい」と期待した。

 また、日ごろの仕事上の諸課題や地域の現状について、十分に交流するよう求めた。

 トークセッション「地域づくりの担い手育成に関する調査研究について」では、道立生涯学習推進センターの五十嵐秀介主幹が司会となり、道社会教育主事会協議会の江端邦仁会長、栗山町青少年育成会の原田優司会長、NPO法人ezorockの草野竹史代表理事がコメンテーターを務めた。

 コメンテーターからは、教育委員会が行う社会教育の担い手育成事業が多い地域ほど、地域づくりの担い手が増加しているという前年度の研究結果を踏まえ「地域の担い手を育成する新規事業を実施する際のバックデータとして活用すべき」との声が挙がった。

 また、地域団体と社会教育担当者の関係性に関しては、地域のニーズを汲み取るコミュニケーション、その土台となる信頼関係や適度な距離感の必要性が指摘された。

 続いて、道立生涯学習推進センター職員が「北海道における生涯学習・社会教育推進のために」をテーマに、前年度までの研究成果、今後の研究の視点や研究方法を説明した。

 二日目は、学校と活動が双方向に循環するために必要な地域社会・社会教育関係団体への社会教育行政からのアプローチ、公民館、図書館、博物館などの活用方策について、四分科会に分かれて研究協議を行った。

◆地域住民の主体的活動を 国研・二宮調査官が講演

 道社会教育セミナーの二日目、国立教育政策研究所社会教育実践研究センターの二宮伸司社会教育調査官が「地域住民の主体的な活動を促す方策について」と題して講演した。

 二宮社会教育調査官は、社会教育主事に必要な視点として、全体をふかんするとともに、地域に密着したマクロの視点の必要性を指摘。政策企画者、演出者、推進者、学習計画の立案者など、多様な社会教育主事の役割を示した。

 また、国の動向として、三十~三十四年度を計画期間とする国の第三期教育振興計画について説明。今後の教育政策の遂行に当たって留意すべき点として「客観的な根拠を重視した教育政策の推進」「教育投資の在り方」「新時代の到来を見据えた次世代の教育の創造」を示し、「今後、さらに客観的な根拠に基づく政策立案が重視されていく」との見通しを示した。

 また、十月以降を予定している文部科学省の再編、三十二年度から見直しとなる社会教育主事講習の概要などを説明。本道における社会教育主事の力量に期待を寄せ「よりよい社会教育活動の展開、発展に努めてほしい」と締めくくった。

(道・道教委 2018-06-07付)

その他の記事( 道・道教委)

4月1日現在のCS導入状況―道教委まとめ 86市町村、409校に 導入率は全国平均を上回る

コミュニティスクールの導入状況  道内各地の学校で、コミュニティ・スクール(CS)を導入する動きが加速している。道教委によると、四月一日現在、CSを導入した市町村数は八十六市町村で、前年度より四十市町村と大きく増加。うち、...

(2018-06-12)  全て読む

新病棟に特別支援2校併置―国立病院機構 八雲病院機能移転の基本計画 道と札幌市が引き続き運営

 国立病院機構は六日、八雲病院の機能移転に関する基本計画を公表した。八雲病院の重症心身障がいなどに関する医療機能を、北海道医療センターと函館病院へ移転するに当たって、新病棟の整備計画などを示...

(2018-06-11)  全て読む

道教委が広域特別支援連携協議会 一貫した支援の在り方議論 支援計画周知し利用促す声も

道教委広域特別支援連携協議会  道教委は七日、道庁赤れんが庁舎で三十年度第一回広域特別支援連携協議会を開いた。ライフステージに応じた切れ目のない一貫した指導や支援の在り方について協議。個別の教育支援計画の利用促進に向け、...

(2018-06-11)  全て読む

授業改善プロジェクト実践校―道教委 本年度は12校を指定 運動の喜び味わえる体育研究

 道教委は、本年度における授業改善プロジェクト事業の実践研究校を決定した。室蘭市立八丁平小学校など小・中・高十二校を指定。体育授業において、児童生徒が運動の楽しさや喜びを味わい、自ら考え工夫...

(2018-06-11)  全て読む

進化する道立教育研究所① どうけんフィロソフィ作成

 道立教育研究所は本年度、研究所が目指すべき目的として、スローガン「徹底した現場第一主義で未来教育の創造を」を設定。子どもたちがたくましく生きていくために必要な能力等の育成に向け、学校、関係...

(2018-06-08)  全て読む

道研が集合研修 北村所長 現場第一主義徹底を フィロソフィの内容など説明

道研職場研修北村所長あいさつ  道立教育研究所は五日、職場研修(集合研修)を行った。北村善春所長が職員の行動指針を示すため新たに作成した「どうけんフィロソフィ」の内容を説明。学校現場のニーズの把握、研修の成果を評価し、質...

(2018-06-07)  全て読む

道研が重点的取組の方向性まとめる どうけんフィロソフィ作成 共同研究体制整備に向け準備

 道立教育研究所は、本年度から新たに設定したスローガン「徹底した現場第一主義で未来教育の創造を」の実現に向けた重点的な取組の方向性をまとめた。第一弾として今回、研究所員としての行動指針を示す...

(2018-06-07)  全て読む

不祥事防止へ取組確認 各地でコンプライアンス確立会議

空知局コンプライアンス確立会議 ◆空知局   【岩見沢発】空知教育局は五月下旬、空知合同庁舎でコンプライアンス確立会議を開いた。竹林亨局長、平瀬一弘次長のほか、管内市町教育長、小・中学校や、道立学校の校長など八人が出席。...

(2018-06-07)  全て読む

道教委が公立高校配置計画案発表 31年度、幕別町に新設校 2校で地域連携特例校導入

教育版18.6.5面修正  道教委は五日、公立高校配置計画案を発表した。三十一~三十二年度計画の変更では、三十一年度に幕別高校を募集停止して新設校を設置するほか、教育環境の維持向上のため、夕張高校と松前高校に地域連携...

(2018-06-06)  全て読む

4教育局で働き方改革推進会議 業務改善へ協議深める

石狩局働き方改革推進会議 ◆石狩局  石狩教育局は五月二十三日、道庁別館で管内学校における働き方改革推進会議を開いた。管内の市町村教委教育長、学校関係者など十一人が出席。部活動休養日や学校閉庁日の設定など、教員の時...

(2018-06-06)  全て読む