30年度中1ギャップ問題未然防止事業―道教委 15中学校区を推進地域に 学習・生活指導の円滑な接続推進
(道・道教委 2018-07-03付)

 道教委は、三十年度中一ギャップ問題未然防止事業の推進地域、推進校を決定した。滝川市立明苑中学校など新規六中学校区を含む十五中学校区を推進地域に、域内の小・中学校四十八校を推進校に指定。小・中学校の緊密な連携体制のもと、児童生徒の人間関係を築く能力の育成、学習指導や生活指導の円滑な接続を図る取組を進める。

 道内では、小学校六年生が中学校一年生に進学した際、不登校の子どもや、いじめの認知件数が増加している状況がみられる。

 道教委は、これを「社会的スキルの定着が不十分など個人的・家庭的な要因などを抱えた子どもが学習環境、生活環境などの大きな変化に適応できない」といった小・中学校間の接続の問題(中一ギャップ)があると分析する。

 中一ギャップ問題未然防止事業は、子どもの人間関係づくりの能力の育成、小・中学校間の連携の促進とともに、家庭や関係機関との情報共有を図るなど、問題解消の取組を実施するもの。

 本年度は、滝川市立明苑中など新規の六中学校区を含む十五中学校区を推進地域に決定。

 域内の小学校三十三校と合わせ、計四十八校が推進校となった。

 各推進地域では、中学校区を単位とした中一ギャップ検討委員会を設置。推進校が連携し、校区の中一ギャップ解消プランを作成する。

 推進地域・推進校では、人間関係づくりの能力の育成を図る小・中学校の円滑な接続に向けた取組を推進。

 具体的には、より良い人間関係を築くための社会的スキルを育成する活動の教育課程への適切な位置付け、学校行事や児童会・生徒会活動など小中連携の取組を実施するほか、子ども理解支援ツール「ほっと」や生活アンケートの実施と分析、教育相談や学習・生活に関する記録に基づく小中合同の事例研究・実践交流などを行う。

 学習指導、生活指導の円滑な接続に向けては、小中一貫した学習規律・生活規律の改善、九年間を見通した指導の推進、小中相互の授業参観や出前授業など指導方法・指導体制の充実、家庭学習の内容や方法に関する連携などの取組を進める。

 このほか、いじめ根絶に向けた小中合同の子ども会議といった児童生徒が主体となった取組や、生活リズムや家庭での過ごし方に関する家庭との連携の充実などにも取り組む。

 子ども理解支援ツール「ほっと」や生活アンケート、全国学力・学習状況調査結果などを活用し、取組を検証・評価。

 道教委は、全道の学校や市町村教委における中一ギャップ問題への対応に役立てるため、事業の取組状況を周知する。

 併せて、中学校に対して生徒指導に関する教職員定数加配として教員一人を加配。推進地域の実践や成果、効果的な取組とするためのポイントを報告書としてまとめ、全道の学校や市町村教委における中一ギャップ問題への対応に役立てる。

◆推進校は48校

 三十年度中一ギャップ問題未然防止事業の推進地域、推進校はつぎのとおり。

▼空知

▽岩見沢市立東光中―東小、岩見沢小

▽滝川市立明苑中(新)―滝川第三小、東小

▼石狩

▽石狩市立樽川中―南線小

▼後志

▽小樽市立朝里中―朝里小、豊倉小

▽共和町立共和中―東陽小、西陵小、北辰小

▼胆振

▽室蘭市立桜蘭中―知利別小、旭ヶ丘小、八丁平小

▼日高

▽新ひだか町立静内中(新)―静内小

▼渡島

▽長万部町立長万部中―長万部小、静狩小

▼檜山

▽江差町立江差中(新)―江差小、南が丘小

▼上川

▽東川町立東川中―東川小、東川第一小、東川第二小、東川第三小

▼留萌

▽天塩町立天塩中―天塩小、啓徳小

▼オホーツク

▽斜里町立斜里中(新)―斜里小、朝日小

▼十勝

▽音更町立下音更中(新)―下音更小、鈴蘭小

▼釧路

▽標茶町立標茶中―標茶小、磯分内小、沼幌小

▼根室

▽中標津町立中標津中(新)―中標津小、丸山小

(道・道教委 2018-07-03付)

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