道教育大附属札幌小・中ふじめの学級 全道教育研究大会 思い実現し学ぶ子育成
(学校 2018-07-11付)

附属札幌小中ふじのめ学級研究大会
小学校算数科の授業では、八島教諭が児童一人ひとりの気付きを全員で共有できるように取り組んだ

 道教育大学附属札幌小学校(髙久元校長)・附属札幌中学校(佐々木貴子校長)の特別支援学級(ふじのめ学級)は六日、同校で全道教育研究大会(特別支援教育)を開いた。研究主題を「思いを実現しながら学ぶ子どもを目指して」と設定。子どもたちの豊かな生活の実現に向け、小学校算数科と中学校美術科の二授業を公開したほか、分科会や教育講演会を行った。

 研究主題「思いを実現しながら学ぶ子どもを目指して」は三ヵ年計画の二年目。研究の視点として、①自分で課題を明確にする支援②気づきを生かすことのできる支援―の二点を据えて研究を進めている。

 この日は、全体会で研究概要を説明したほか、二つの授業を公開。午後からは分科会のほか、京都大学大学院の石井英真准教授が「今 求められる深い学びとは」と題して講演した。

 二つの授業のうち、小学校の算数科「単位はかせになろう~重さ編」(児童数五人)を八島奈央教諭が指導。本時は六時間扱いの五時間目で、目標を「はかりを使用し、必要な道具を選択しながら、お菓子づくりに必要な量をつくることができる」と設定した。

 八島教諭は、別のクラスの児童が調理実習を行うことにふれ「材料を量るお手伝いをしよう」と呼びかけた。

 研究の視点①の観点から、材料を量らずにつくったお菓子と材料を量ってつくったお菓子を食べさせたほか、専門家のアドバイスから、正確に材料を量ることでおいしいお菓子ができることを確認。材料を正確に量りたいという思いを引き出せるように取り組んだ。

 キッチンはかりの目盛りの読み方や小・中・大の三種類のスプーンの使い方について確認したあと、全員で協力して砂糖五十㌘を量った。正確に量るため、児童の「針をゼロにしないといけない」「量を考えて入れる」「目盛りをよく見る」など一人ひとりの気づきを取り上げて、全体で共有した。

 このあと、研究の視点②の観点から、全体で共有した気づきを踏まえて量ろうという気持ちを引き出せるよう、二グループで材料を量る活動を設定。薄力粉八十㌘やココアパウダー二十㌘、ベーキングパウダー五㌘を量らせた。

 また、振り返りでは「量を調整するために小さいスプーンを使った」といった児童の声を取り上げるなど、量る際のポイントをあらためて確認させた。

 授業後は分科会を実施。八島教諭の授業について、キッチンはかりなど道具の使い方のほか、今後の授業展開について意見が出た。

 また、札幌市教委の北原義之特別支援教育担当係長は、お菓子を食べるなど、児童の目的意識が高まる取組を取り上げたほか、全体で児童一人ひとりの気づきを共有させたことにふれ「グループで気づきを生かすなど、学びが深まっていた」と話した。

(学校 2018-07-11付)

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