道教育大附属札幌小が研究大会 強い意志と創造性発揮へ 16授業を公開(学校 2018-07-12付)
2年1組の国語の授業では、中島教諭が挿絵を使って文章の表現方法を確認した
道教育大学附属札幌小学校(髙久元校長)は六日、同校で三十年度教育研究大会を開いた。研究主題「自己を創る学びをデザインする子ども」、研究副主題「見方・考え方の拡張による深い学び」のもと、国語・社会・算数・理科・音楽・図画工作・家庭・体育・道徳・英語・生活・総合・食育の十六授業を公開。このうち、二年一組の国語「スイミー」(中島大輔教諭、児童数三五人)では、スイミーの気持ちや様子を発表させるなど、言葉を手がかりに場面を想像させる授業を展開した。
同校では、多様な状況において、共生しながら未来を切り拓いていくために「目の前の問題に向き合って何とかしたいという強い意志をもち、自ら踏み出していく姿」「他者と進んで関わりながら創造性を発揮して解決していく姿」の二点が求められていると考え、研究主題を「自己を創る学びをデザインする子ども」と設定し、研究を進めてきた。
十六授業のうち、二年一組の国語「スイミー」は八時間扱いの五時間目。本時の目標を「素晴らしいもの・面白いものへ“ツイート”(スイミーの気持ちなどを書く)する言語活動を通して、(場面の)様子を想像して読む」と設定した。これまでに、第二場面までのスイミーの気持ちなどを書く活動に取り組んでいる。
この日、第三場面を音読させたほか、第二場面との違いについて問いかけた。児童の発表から、第二場面でスイミーが仲間を失ってショックを受けていたものの、「面白いものや素晴らしいもの」を見て元気を取り戻したことを確認。スイミーの気持ちの変化を取り上げ「面白いものや素晴らしいもの」に対するスイミーの気持ちを書きたくなるようにした。
また、「水中ブルドーザーのような伊勢エビ」「虹色のゼリーのようなくらげ」などの文章の挿絵を提示。挿絵と文章を結び付けさせることで「面白いものや素晴らしいもの」など、それぞれの文章の表現の仕方を理解できるよう工夫を凝らした。
このあと、児童一人ひとりがスイミーの気持ちなどを書いた付せんを挿絵に貼った。児童が書いた付せんを紹介することで、その場面の様子をより実感し、想像できるように取り組んだ。
分科会では、中島教諭の授業について「(スイミーが)様々な生き物を見て、だんだん元気になる様子について実感がもてる取組が必要」「見方・考え方が広がるような挿絵の使い方だった」などと意見が出た。
また、札幌市教委の船着千世義務教育担当係長は、挿絵と文章を結び付けさせたり、スイミーの言葉を付せんに書いたりする言語活動にふれ「海の生き物に出会ってだんだん元気を取り戻すスイミーの様子や言動を具体的に想像し、豊かな言葉で表現されるように工夫された展開となっていた」と話した。
(学校 2018-07-12付)
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