旭川市知新小が授業改善学習会 主体的に学び考えつなげ 個々の自身高める学習を充実(学校 2018-07-11付)
佐藤教諭は、児童に黒板の前で話し合わせた
【旭川発】道教委のほっかいどう学力向上推進事業「授業改善等支援事業」の拠点校に指定されている旭川市立知新小学校(川島政吉校長)は六月二十九日、同校で授業改善学習会を開いた。同じ拠点校の旭川小学校、大町小学校の教員など三十三人が参加。研究主題「主体的に学び、考えをつなげる子どもの育成~見通しをもって語り合い、学びを楽しむ問題解決の学習と一人一人の自信を高める学習の充実」のもと、算数科の授業を公開。主体的に学び、考えをつなげる子どもの姿を紹介した。
授業改善等支援事業は、学力向上の課題などを解決するため、地域や学校の実情に応じた集中的・継続的な支援によって、学校力向上の取組の充実を図るもの。事業の実施期間は二十九年度から三十一年度までの三ヵ年。上川管内では、旭川市が指定地域、知新小と旭川小、大町小の三校が拠点校に指定されている。
知新小は、本年度から三ヵ年計画研究をスタート。算数科を窓口に研究を進めている。
当日は、四年二組(佐藤仁彦教諭、児童数一五人)の算数科「式と計算」を公開した。
本時は八時間扱いのうち一時間目。問題場面を「()」を用いて一つの式で表す方法を気付かせることを目標とした。
はじめに、佐藤教諭は問題文「五百円玉を持って買い物に行った。二百三十円のパンと百五十円のジュースを一つずつ買うと、お金は何円残るか」を板書。児童が本時の問題を把握できるよう、パンとジュースを順番に買っている図Aを提示し、一つ一つ計算式を考えさせた。
その上で、パンとジュースをまとめて購入する場面の図Bを提示し、「Bの場面を式に表すにはどうしたらいいか」と課題を提示し、数学的活動につなげる工夫をした。
児童が個人思考を終えると、考えた式を黒板に貼らせた。また、児童たちを黒板の前に座らせてそれぞれの考えを話し合わせて、「500―(230+150)=120」と、()が使用できる計算式にすることができることを気付かせた。
また、「()」を使った計算式について話し合った。児童は気付いたこととして、「二つの式を一つにまとめたほうが見やすくなる」などと発言。
佐藤教諭は児童の考えをつなぐ教師の働きかけの工夫として、「本当にそうかな?」「一つの式に表す良さはほかにどんなことが考えられる?」などと質問し、さらに考えを深めさせた。
最後に、練習問題に取り組ませて、本時の学習の振り返りを行った。
研究協議では、佐藤教諭の授業に対し、成果として「子どもたちの話し合いの時間を多く設けていて良かった」「図Aの場面について考えさせてから、図Bの場面を考えさせた工夫が良かった」などの声が挙がった。
一方、課題として「子どもたちの変容が分かりづらかった」などの意見も寄せられた。
講師として参加した都留文科大学の新井仁准教授は「“本当にそうなの?”と児童に問いかけているのがとても良かった」と評価。「式の意味を考えさせることがとても大切。式からどんな買い物をしているか、児童に理解させることがポイントとなる」とアドバイスした。
(学校 2018-07-11付)
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