穂別高―学力向上と進路実現へ クラウドサービスを活用 家庭学習習慣の定着など期待
(学校 2018-07-10付)

穂別高校クラッシー導入
スマートフォンで問題に取り組む生徒

 【室蘭発】穂別高校(松本文治校長)は本年度、学力向上と進路実現に向けた家庭学習のためのクラウドサービス「Classi(クラッシー)」の運用を開始した。学習用ツールとして活用しており、生徒への宿題をクラッシーで出題している。宿題の取組状況が改善されつつあり、家庭学習の習慣付けや学力向上への効果が期待されている。

 クラッシーは、㈱ベネッセホールディングスとソフトバンク㈱が共同で運用するクラウドサービス。スマートフォンやタブレット、パソコンを活用して問題に取り組むことができる。学習用ツールのほか、学校と生徒・保護者間のコミュニケーションツールとしての活用も可能となっている。

 同校では、家庭学習の習慣付けを目的に、本年度から運用を開始。現在は、英語・数学・国語・理科・社会の五科目について、ローテーションを組んで宿題を出している。

 二年生の井上勇君は「スマホを使って手軽に取り組むことができるし、問題数が少ないので続けることができそう。徐々に難しい問題にも取り組めば実力が付くのではないか」と話している。

 福本典子教頭は「スマホで簡単に取り組むことができるため、生徒の抵抗感が少ない。短時間でできることも利点」と手応えを感じている。また、「課題の正答率が記録として残る」ことも特色に挙げる。生徒は、どこで間違えたのかが一目で分かるため、苦手な分野や単元を克服することが可能となる。

 現在は、宿題に活用しているが、将来的には、生徒の学力に応じて問題の難易度に差を付けることや、進学を目指す生徒により難しい問題を出題することを検討中。

 このほか、教員の負担軽減にも期待が寄せられる。問題がサーバーに内蔵されているため、授業の進行に応じた問題を選択するだけで、宿題を出すことができる。問題を作成・印刷・配布する手間が省けるため、教員の働き方改革および生徒に向き合う時間の創出につながる可能性が高い。

 コミュニケーションツールとして活用した場合にも利点がある。同校は、半数の生徒が寮生活しているため、学校から保護者への連絡が届きにくい。そこで、クラッシーを活用し、臨時休校や緊急時の連絡をタイムラグなしで届けることができる。同校では、PTAアンケートなどにも活用したいとしている。

 システムに関する費用は、むかわ町の補助金を活用した道穂別高校教育振興会から支出されており、保護者負担はない。生徒の家庭学習習慣定着や学力向上に期待が寄せられている。

(学校 2018-07-10付)

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