根室管内特別支援教育研究大会　将来つなぐ支援と実践を　よりよい支援の在り方考察

（関係団体 2018-08-03付）

約２３０人が参加し、ポスター発表やパネルディスカッションなどを通して専門性を高めた

　【根室発】根室管内特別支援教育研究会（佐藤玲子会長）は七月二十六日、別海町立別海中央小学校で第五十二回管内特別支援教育研究大会別海大会を開いた。管内の幼・小・中・高校、教育委員会や保健・福祉担当者など約二百三十人が参加。研究主題「一人一人の教育的ニーズに応える特別支援教育の展開～子どもたちの将来につながる支援と実践」のもと、ポスター発表やパネルディスカッション、講演などを通して、特別支援教育に対する専門性を高めた。

　はじめに、特別支援学級を設置している別海町内小・中学校の教諭によるポスター発表「別海ネタひろば」では、各校が映像を見たり、支援を体験できたりするコーナーを設置するなど工夫して実践事例を紹介。参加者は、説明者と情報交換を行うなどして、支援のポイントを学んだ。

　つぎに、「通常の学級に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒に対するよりよい支援の在り方を考える」をテーマに、パネルディスカッション。四人のパネラーが高校や就労先における支援の実際について発表した。高校における関係機関と連携を図った組織的な取組や養護教諭による一人ひとりの特性に応じた支援の工夫、就労支援センターにおけるアセスメントを踏まえたジョブマッチングの取組の実際、就労継続支援Ａ型事業所における成果や学校に望むことなどに関する発表や質疑応答を通して、義務教育を修了した生徒に対する支援の現状について理解を深めた。

　午後からの全体会では、佐藤会長があいさつ。「時代の要請を踏まえ、かけがえのない社会の一員として、子どもたち一人ひとりを輝かせるための特別支援教育の充実と発展が必要」と呼びかけた。

　このあと、市立旭川病院精神神経科診療部長の武井明氏が「自閉スペクトラム症の臨床経過―幼児期から成人期まで」と題して講演した。

　参加者は、「成人に達した自閉スペクトラム症の事例を通して、幼児期からの自閉スペクトラム症児が示す障がい特性や症状、必要な支援の在り方について理解を深めることができた」「子どもたちの将来につながるよう、今後は、高校三年生からではなく二年生のうちから関係機関と連携するなど、早期からの相談体制の充実に努める必要がある」などと話していた。

(関係団体 2018-08-03付)