道病連が札幌市で第５７回研究大会　病状に応じた教育充実を　望ましい在り方探る

（関係団体 2018-08-03付）

全道から９０人が参加した

　道病弱虚弱教育研究連盟（＝道病連、網谷和彦理事長）は七月三十日から二日間、山の手養護学校で三十年度第五十七回道病弱虚弱教育研究大会（札幌大会）を開いた。全道から関係者約九十人が参加。研究主題「一人ひとりの病状や学力に応じた教育内容の充実と、心豊かにたくましく生きる力を育む指導法の研修、および学校間連携と協同の教育活動体制の研究」のもと、講演や分科会での発表、協議を通し、病弱虚弱教育の望ましい在り方について深化と充実を図った。

　一日目の開会式では、主催者・主管校を代表して網谷理事長（山の手養護校長）があいさつ。全道各地で病弱虚弱教育が行われていることにふれ、教員同士でネットワークを構築し情報交換する重要性を強調した。

　「病弱教育にかかわるすべての分校、分教室、特別支援学級と手を携え、今後の本道における病弱教育の在り方を見定め、役割を担っていかなければならない」と話した。

　続いて、道教委の上林宏文教育指導監、札幌市教委の檜田英樹学校教育部長、国立病院機構北海道医療センターの長尾雅悦副院長がそれぞれ祝辞。うち、上林教育指導監は、病弱虚弱教育における今後の動向などにふれ、研究大会を通して「学校間のつながりや教員間のつながりを深めていただくようお願いする」と述べた。

　檜田部長は、研究大会の成果を「道内はもとより、全国にも発信し、共生社会の形成に向けた特別支援教育の振興に資する新たな指針や取組として、さらなる広がりをみせてほしい」と期待した。

　開会式のあとは、道病連総会を実施したほか、昭和大学大学院保健医療科学研究科の副島賢和准教授による記念講演「学ぶことは生きること～涙も笑いも力になる」を行った。

　副島准教授は、昭和大学病院に設置されている特別支援学級「さいかち学級」について紹介。学級の役割として「子どもたちの発達を保障する」を掲げ、病棟スタッフとチームとして活動していることを説明した。学級で大切にしているかかわりとして「発達を支える生活の場」「家族支援の視点をもつ」などを挙げ、児童や家族のために、医療・福祉・教育で連携する必要性について話した。

　このあと、グループワークを実施。講演内容について理解を深めた。

　二日目には小・中・高等部に分かれて分科会を実施。山の手養護と八雲養護学校における実践を発表し、病弱虚弱教育の望ましい在り方について深化と充実を図った。

(関係団体 2018-08-03付)