第67回道高校農業教育研究大会 グローバル化への対応理解 高校長協会農業部会など主催
(関係団体 2018-08-02付)

高校農業教育全道大会
約140人が参加し、資質向上を目指した

 【釧路発】第六十七回道高校農業教育研究大会・第二十二回全国高校農場協会道支部大会が七月二十四日から二日間、釧路センチュリーキャッスルホテルで開かれた。農業に関する学科を置く高校の教職員など約百四十人が参加。分科会や講演などを通して、新学習指導要領やグローバル化に対応した農業教育の方向性について見識を深めた。

 社会の変化に対応する農業教育の諸問題を研究協議し、農業科担当教員の資質向上を図るとともに農業教育の充実・発展に資することが目的。主催は道高校長協会農業部会、全国高校農場協会道支部。

 冒頭、道高校長協会農業部会の畠山佳幸部会長(岩見沢農業高校長)があいさつ。

 新学習指導要領で主体的・対話的で深い学びを実現するために効果的な学習方法であるプロジェクト学習の重要性が示されたこと、農業教育の質の確保と向上を目指すアグリマイスター顕彰制度、グローバルGAP・HACCPの教育推進の強化が求められていることにふれ、「魅力ある農業教育、農場管理を進めて今後の農業教育の推進と充実発展につながる研究協議を」と呼びかけた。

 次いで、全国農業高校長協会の小堀紀明副理事長、釧路教育局の鈴木淳局長、標茶町教委の島田哲男教育長が祝辞。小堀副理事長は、グローバル化やICT、AIの進展は農業の分野においても革新的な変化をもたらす可能性があることを指摘。「農業を中心に健康、福祉、医療、環境エネルギー、観光、スポーツなどとの関連産業との結び付きが強くなり、持続可能な地域の実現に必要な基盤産業としての農業の役割が求められる。グローバル化社会に対応し、地域創生や成長産業としての農業を担い、持続可能な社会づくりに貢献する人材の育成を農業関係高校が率先して進める必要がある」と述べ、各校の活躍に期待を寄せた。

 午後からは「グローバル化に対応するため、科学的な視点をふまえた農業教育の創造」を研究主題に四つの分科会を実施。①グローバル化や法人化、六次産業化や企業参入等に対応した経営感覚の醸成を図るにはいかにあるべきか②持続可能で多様な環境に対応したグローバル人材育成の充実を図るにはいかにあるべきか③科学的な根拠をふまえた地域資源の活用やヒューマンサービス分野における創造的・実践的な人材育成の充実を図るにはいかにあるべきか④グローバル化への進展と地域創生に寄与できる科学的視点をふまえた学校農業クラブ活動指導はどうあるべきか―をテーマに提言が行われた。

 ①について提言した富良野緑峰高校の森川哲教諭は、六次産業化経営の近隣先進農家での視察研修、アグリマイスターの実践、幼稚園や小学校など地域との連携、インバウンドに対応した販売会、農業生産工程管理(GAP)の学習について報告した。

 二日目は、文部科学省初等中等教育局児童生徒課産業教育振興室教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官の田畑淳一氏が「新学習指導要領とこれからの農業教育の方向性」について講話。また、北海道指導農業士で農業士釧路地区連絡会議会長の近藤英實氏が「農業と農村の未来を担う人づくり~北海道指導農業士・農業士釧路地区連絡会議の取組」と題して講演した。

(関係団体 2018-08-02付)

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