道教育地図研究会が十勝帯広大会　歴史巡るフィールドワーク　松浦武四郎の足跡たどる

（関係団体 2018-08-06付）

フィールドワークで松浦武四郎の足跡をたどる参加者たち

　【帯広発】道教育地図研究会（永宮愼也会長）は七月二十七日、帯広市内や音更町内で三十年度道教育地図研究大会十勝帯広大会を開いた。よつば乳業十勝主管工場や松浦武四郎止宿地跡、ばんえい競馬場など五ヵ所を巡るフィールドワークを実施。十年ぶりの帯広大会で、十勝管内の産業・歴史を調査する巡検コースを回った。

　当日は、帯広市立明星小学校と帯広駅前に集合してよつば乳業十勝主管工場までバスで移動し、工場を見学した。

　続いて、音更町内のヲトケプト松浦武四郎止宿地跡に移動し、音更町立木野東小学校の竹山大輔教諭が説明。武四郎が行った安政五年の二度にわたる十勝管内の調査時に宿泊した当時のトカチ場所総首長シラリサの家が過去に存在したことを示した。

　また、武四郎の蝦夷地調査では、宿泊した家の家族構成、名前、川から見た家の位置など、事細かに帳面に記していたことが現代の武四郎研究の土台になっていることを伝えた。

　武四郎の人柄について、ヲトケプトでの宴会の際に詠んだ和歌を提示し、シラリサの家の柱に酔って和歌を彫り込んだという逸話を紹介。「事細かく残されている資料を調べられることが、武四郎研究の面白いところ」と評していた。

　続いて、シラリサの家があったと思われる崖の上まで移動。中で会員から「武四郎の旅の予算は幕府からいくらくらい出ていたのか」と問われ、竹山教諭は「記録がないので分からないが、道中での食事や案内はアイヌの人の助けを得て行っていたはず」と答えた。

　このあと、ばんえい競馬場や帯広市百年記念館などを訪問し、見識を広げた。

(関係団体 2018-08-06付)