道教委―第２回高校配置計画検討協議会宗谷学区　全体の２割が学区外に進学　地域の実情、存続訴え

（道・道教委 2018-08-09付）

地域の実情や定員確保に向けた高校の取組について協議した

　【稚内発】道教委は七月中旬、稚内総合文化センターで第二回公立高校配置計画地域別検討協議会（宗谷学区）を開いた。三十一～三十三年度の配置計画案や三十四～三十七年度の見通しなどを示し、各地域の関係者が地域の実情や高校の存続を訴えた。

　この日、市町村教委教育長や小・中・高校の校長、ＰＴＡや経済団体関係者など四十四人が出席。

　冒頭、宗谷教育局の宮岡孝博局長は「管内の各公立学校に対する期待や思い、道教委や宗谷教育局への要望など、地元ならではの意見を広く聞かせてほしい」と呼びかけた。

　続いて、道教委高校教育課の塩田将之主任が配置計画案などについて説明。宗谷学区における生徒の進路動向については「どの地域でも地元の高校に進学する生徒が多いが、学区全体の二割が学区外の高校に進学している」と伝えた。

　宗谷学区の高校配置計画案について、三十一～三十三年度は計画に変更はないとした。三十四～三十七年度の見通しについては、三十五年度以降は稚内市を中心として中卒者数の減少が続くことから「市内にある二つの高校の募集定員をどのように設定していったらよいのか、定時制課程の在り方も含めて今から考えていく必要がある」と説明した。

　引き続き、高校教育課の我妻宏志主査が道教委研究指定事業の高校英語力向上事業と高校生ステップアップ・プログラムを紹介した。

　協議では、稚内市立稚内南中学校の中尾忠校長が「公立高校ではできない教育を担う私立高校の存在意義は大きなものがある」「稚内高校定時制は、学びのセーフティネットとして重要な役割があることを認識してほしい」と語った。

　礼文高校の坂野裕悦校長は魅力ある学校づくりのため、礼文島に自生する高山植物の観察などを行う学校設定科目を設けていることを挙げ「自然とかかわりながら自然保護や観光産業について考える学習を行っており、生徒は島内で観光ガイドも務めている」と自校の取組を紹介した。

(道・道教委 2018-08-09付)