教員育成指標アンケート結果―道教委 「使命感」育む科目が最多 教職課程との関係を初調査(道・道教委 2018-08-08付)
道教委は、北海道における「教員育成指標」に関するアンケート調査結果をまとめた。道内関係大学を対象に、指標で示す資質能力と大学の現行(三十年度)または三十一年度以降の教職課程の関係を初めて調査した。教職を担うに当たり必要となる素養に関して、現在、「使命感や責任感・倫理観」を重点的に育成するための授業科目があると回答した割合は七一・八%と最多で、「教育的愛情」「主体的に学び続ける姿勢」などと続いた。関係する授業科目などとの合計では、いずれも九割前後。連携・協働に関連する資質能力では、「地域等との連携・協働力」が五九・〇%と多かった。
道教委は昨年十二月、北海道における「教員育成指標」を策定。道教委が任命権者となる公立学校の教員を対象に、①教職を担うに当たり必要となる素養②教育または保育の専門性③連携・協働―に関する観点に基づき、求める教員像とキーとなる資質能力に関する指標を示した。管理職を対象とする指標についても、現在、策定に向けた準備を進めている。
調査は、北海道における「教員育成指標」を教員養成大学との目標共有や連携に活用し、教員の養成・採用・研修を効果的につなげるため、教職課程のある道内関係大学を対象として初めて実施したもの。実施時期はことし二月中旬~三月下旬、回答率は九七・四%となっている。
北海道における「教員育成指標」の把握時期については、「アンケート調査時に知っていた」との回答が六四%、「調査時に知った」が三三%、無回答が三%だった。
「すでに知っていた」六四%の大学における周知状況をみると、「関係する教員の代表者などに通知した」が六〇%、「関係する教員すべてに周知した」が二四%、「各教員が個々に把握している」が一二%など。
指標と大学の現行教職課程の関連では、教職を担うに当たり必要となる素養についてみると、「重点的に育成するための授業科目がある」との回答のうち、「使命感や責任感・倫理観」に関する授業科目が七一・八%。「教育的愛情」が五三・八%、「主体的に学び続ける姿勢」が四八・七%などと続き、「総合的人間力」は三三・三%と低かった。
「育成するための授業科目がある」「関係する授業科目がある」との合計では、「使命感や責任感・倫理観」「主体的に学び続ける姿勢」が九四・九%、「教育的愛情」が九二・三%などいずれも高い数値となった。
三十一年度以降の教職課程において、「修得させたい資質能力として、育成する授業科目がある」と回答した割合は、「使命感や責任感・倫理観」が七一・八%、「教育的愛情」が六六・七%、「主体的に学び続ける姿勢」が五三・八%などと続いた。
連携・協働に関連する資質能力をみると、現行で「重点的に育成するための授業科目がある」と回答した割合は、「地域等との連携・協働力」が五九・〇%、「学校(園)づくりを担う一員としての自覚と協調性」が四六・二%など。一方、「人材育成に貢献する力」は二〇・五%に留まった。
「育成するための授業科目がある」「関係する授業科目がある」との合計では「地域等との連携・協働力」が九四・九%となるなど、三つの指標で九割以上となっている。
三十一年度以降の教職課程において、「修得させたい資質能力として、育成する授業科目がある」と回答した割合は、「地域等との連携・協働力」が六四・一%、「組織的・協働的な課題対応・解決能力」が五一・三%など。「人材育成に貢献する力」は三〇・八%となっている。
(道・道教委 2018-08-08付)
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