石狩教育研修センター理論研修会 子の発達支える授業へ 横国大・髙木名誉教授が講演
(市町村 2018-08-20付)

石狩教育研修センター理論研修会
新学習指導要領の目指すものについて講演する高木氏

 石狩教育研修センターは九日、北広島市内の同センターで主体的・対話的で深い学びの在り方理論研修会を開いた。中央教育審議会教育課程部会委員で、横浜国立大学名誉教授の髙木展郎氏が「主体的・対話的で深い学びの授業づくり~新学習指導要領のめざすもの」と題して講演。教職員など約七十人が参加し、新学習指導要領の重点や主体的・対話的で深い学びの実現に向けた具体的な方策を学んだ。

 理論研修会は、新学習指導要領が目指す「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け、授業改善の在り方などについて指導力の向上を図り、実践に生かす具体的な方策を学ぶことがねらい。

 髙木氏は、新学習指導要領の方向性について解説。従来の“何を学ぶか”に加え、“どのように学ぶか”の観点を授業に取り入れるため、「単元を通して、知識・技能を教える時間と考えさせる時間を計画的に配分する必要がある」と述べた。その上で、「子ども一人ひとりの発達をどのように支援するかを考えることが最も重要」と強調した。

 続いて、「カリキュラム・マネジメント」「主体的・対話的で深い学び」の意味を確認し、「学校全体で、学習指導要領に合わせて学校独自の指導案をつくってほしい」と要請。実践に向けた具体的方策の一例を挙げながら、「児童生徒が授業に臨む際、直接的に行動を指示するのではなく、“なぜそうしなければならないのか”を考えさせる環境づくりが大切」と解説した。

 また、ノートに視写・聴写させることの重要性にふれ「ワークシートは、書くことが明確で、書く量が少ない反面、発想を自由に記述できない」と指摘。創意工夫したノートづくりをさせることで、思考・判断を表現する場となることを示した。

 理想的な授業の在り方に関しては、「児童生徒が自ら聴いて、考えて、つなげる授業を行えること」と指摘。そのためにも、「授業づくりは、問づくりが重要」と説明した。授業における教師の出番として、①修正の場②深める場③認める場―の三パターンを示し、「児童生徒が自分たちで解決できない場合に、はじめて教員の出番になる」と述べた。

(市町村 2018-08-20付)

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