函館教育経営研究所が夏季教育講演会　特別支援教育などテーマに　課題解決の方策を学ぶ

（関係団体 2018-08-27付）

３５人が講演を通して研鑽を積んだ

　【函館発】函館教育経営研究所（小笠原愈所長）は十八日、ホテル法華クラブ函館で夏季教育講演会を開いた。所員など三十五人が参加。道教育大学附属特別支援学校の太田千佳子副校長と教育創造研究センターの高階玲治所長による講演を通して、特別支援教育の充実や学校経営の改善について研鑚を深めた。

　同研究所が毎年、夏季・冬季に開く講演会は、管理職としての資質向上や学校経営・運営の改善・充実、特別支援教育など今日的課題への対応などについて、実践や研究成果を基に学ぶことを目的としている。

　開会に当たり小笠原所長があいさつ。本年度の研究紀要への執筆者が二十数人にのぼり、今日的な教育課題の解決に向けた実践の推進と執筆への意欲に感謝を述べるとともに、「講演から多くのことを学び、日々の実践に生かしてほしい」と述べた。

　太田副校長は「共生社会を可能にする学校づくり」と題して講演。過去に担任した特別支援学級や特別支援学校教頭時代に、職場で上司や同僚から指導や協力を受け「人に生かされてきた」と振り返った。

　その上で、国が推進する共生社会の実現に向け「人と人との関係性づくりが重要」と強調し、「一人ひとりに応じた適切な支援と障がいのある人とない人がともに学べるよう、インクルーシブ教育システムの構築と推進が必要」と訴えた。

　また、障がいのある児童生徒が積極的に参加・貢献できる場をつくることについて、「児童生徒はもとより保護者、地域の実態把握が必要」と述べ、子ども自身が将来生きていく地域に対して、理解を深める重要性を説いた。

　高階所長は「校長は学校を変えられるか」をテーマに講話。

　学校改善の視点として、学校・教員のミッション、教育実践力の方略化、学校の教育ビジョンなどを取り上げ、社会に開かれた学校教育の実現について解説。

　参加者は「とても身近な取組が大切だと感じた。日常の授業や学校運営を見直し、一つずつ実践していきたい」と今後の取組に意欲をみせていた。

(関係団体 2018-08-27付)