道教育振興会―女性視点の教育フォーラム開く　子と良好な関係築くには　アンガーマネジメント協・長縄氏

（関係団体 2018-09-06付）

長縄氏が怒りの性質や取り扱い方などを説明した

　道教育振興会（工藤達成会長）は四日、札幌市立中島中学校で第二十二回「女性の視点から考える教育フォーラム」を開いた。日本アンガーマネジメント協会理事の長縄史子氏が「子どもの心に寄り添うアンガーマネジメント」と題して講演。参加した関係者約九十人は、子どもと良好な関係を築くための怒りの取扱い方などについて理解を深めた。

　冒頭、工藤会長があいさつ。人工知能の発展など社会が急速に変化していることにふれ「難しい時代だからこそ、人間の基礎・基本が求められていると思う」と話し、講演を通して研鑚を積むことを求めた。

　続いて、長縄氏が「子どもの心に寄り添うアンガーマネジメント」と題して講演した。

　長縄氏は怒りの性質として、①高いところから低いところへ②身近な対象にほど強くなる③矛先を固定できない④伝染しやすい―の四点を提示。特に「高いところから低いところへ」について、体罰やパワハラ、いじめなどの構図が似ていることを説明した。

　アンガーマネジメントについては、怒る必要があることは上手に怒り、怒る必要がないことは怒らないようにコントロールすることと説明し「怒らなくなる方法ではない」と指摘。小さなことでも激高することや、根に持つこと、物に当たることなど、問題となる怒り方についても紹介した。

　子どもを怒る際に、同じことで怒っている場合は、怒り方がパターン化している可能性があることを指摘。「怒り方を変えて、上手くいけば（その方法を）続け、上手くいかなければ違うことをしてほしい」と呼びかけた。

　また、怒りは氷山の一角のような第二次感情であることを説明。その裏側にある第一次感情には、悲しみや不安、つらいといった気持ちが隠れていることを説明。子どもが怒っている場合は、怒りの裏側にある気持ちに寄り添い、不安や悩みを解消するよう求めた。

　このほか、怒りやすい人は価値観の違いで怒ることを指摘。怒りを笑いに変えるような心の余裕をもつことを求めたほか「自分の気持ちに寄り添い、子どもの気持ちに寄り添い、良い関係をつくってほしい」と呼びかけた。

(関係団体 2018-09-06付)