釧路へき複研究弟子屈大会開く 集合学習の在り方探究(関係団体 2018-09-13付)
へき地・複式教育の充実について話し合われた
【釧路発】釧路へき地複式教育研究連盟(今井直史委員長)は五日、弟子屈町立奥春別小学校で第三十回釧路へき地複式教育研究大会弟子屈大会を開いた。管内から教職員や大学関係者ら約八十人が参加。公開授業や基調報告、研究協議を通し、へき地・複式教育の充実に向け研鑚に努めた。
釧路へき地複式教育研究連盟の研究主題は「主体的・創造的に学び、豊かな心でたくましくふるさとを切り拓く子供の育成~へき地・複式教育の特性を生かし、児童生徒一人一人に未来に“生きる力”をはぐくむ学校・学級経営と学習指導の充実を目指して」、弟子屈大会研究主題は「自ら学び、豊かな心でたくましく郷土を切り拓く子どもの育成~かかわり合いながら、学ぶ楽しさを味わえる“集合学習”の在り方を求めて」。
開会式で今井委員長があいさつ。開催地の弟子屈町へき地・複式連絡協議会に感謝の意を伝え、「少人数の特性を生かした個に応じた指導の充実は主体的・対話的で深い学びにふさわしい授業改善であり、各学校で本日の成果を生かしてほしい」と呼びかけた。
来賓を代表して釧路教育局の鈴木淳局長は、社会に開かれた教育課程の実現が求められているとし、「あらためてカリキュラム・マネジメントの視点から教育課程を見直すとともに、子どもが学び方を身に付けるための指導を工夫してほしい」と期待を込めた。
釧路管内町村教育委員会連絡協議会の國安修一会長は公開授業について、「子ども同士がなじんでいて違和感がなかった。特に高学年は六年間の積み重ねを感じた」と集合学習の成果を評価し、「へき地・複式校が減少する中、町村教委連は今まで以上に各学校と連携を深めていきたい」と話した。
また、弟子屈町教委の榎本悦子委員は「きたんのない意見を聞かせてほしい」とした上で、「各学校では地域の違いはあるが、自校の強みを存分に生かして、子ども一人ひとりの可能性を伸ばしてほしい」とエールを送った。
基調報告では、釧路へき地複式教育研究連盟の田中敏行研究部長(鶴居村下幌呂小校長)が「釧路へき地・複式教育研究推進の基調と構想」ついて説明。
続く研究協議では、弟子屈町へき地・複式連絡協議会の佐々木敏洋研究部長(弟子屈町立和琴小教諭)から弟子屈町が進める集合学習について説明があり、三つの授業をもとに活発な意見が出された。中で、①子どもの姿から見える集合学習の成果②個を大切にしたグループ編成やワークシートの工夫③指導計画を支える三校の連携の仕方―について成果と課題が挙げられた。
助言に立った釧路市立武佐小学校の梅津和広校長と釧路教育局義務教育指導班の佐々木慶典指導主事は、集合学習ができない地域が増えているとした上で、「少人数の利点を生かすためにプライドをもって指導に当たってほしい」と期待を寄せた。
最後に道教育大学へき地・小規模校教育研究センターの川前あゆみ副センター長が全体講評し、大会を終えた。
(関係団体 2018-09-13付)
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