高・特配置計画決定に声明―北教組 豊かな後期中等教育を
(関係団体 2018-09-13付)

 北教組(信岡聡中央執行委員長)は四日、道教委の「公立高校配置計画」「公立特別支援学校配置計画」の決定に対する声明を発表した。道立幕別高校と私立江陵高校、道立女満別高校と町立東藻琴高校の再編統合などを「自治体の意向を口実とした機械的削減」と批判。配置計画が貧困と格差を拡大させるとし、「中卒者数の減少期だからこそ、一人ひとりの子どもたちの要求に応え、豊かな後期中等教育を保障すべき」と要求した。

 声明の概要はつぎのとおり。

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 道教委は九月四日、二〇一九年度から三年間の「公立高校配置計画」と二〇一九年度および二十年度以降の見通しを示した「公立特別支援学校配置計画」を決定した。

 「公立高校配置計画」の内容は、二〇一九年度について、①夕張、松前を地域連携特例校とする②私立江陵(四学級)と道立幕別(一学級)を再編統合し、三学級の新設校を設置する③一学級相当以上の欠員が生じ学級減とした十五校のうち十二校は一学級を復活し、二学級減とした深川西は一学級のみ復活、野幌と根室はそのまま一学級減―とする一方で、羅臼は管内の中卒者数増を理由に一学級増とした。

 二〇二〇年度については、①釧路工業の電子機械科を一学級減じ、深川東など五校についても一学級減じ学科転換する②岩内の事務情報科を地域産業ビジネス科に学科転換し単位制を導入する―とした。

 さらに、二〇二一年度については、①南幌を募集停止とする②道立女満別と町立東藻琴を再編統合し一学級の町立校を新設する③滝川など十六校で計十七学級減とする④伊達緑丘の一学級減について、今後の市の検討結果を勘案し伊達との再編を含め変更することがある―とした。

 これらは、六月に公表した「配置計画案」と何ら変わらず、「これからの高校づくりに関する指針」に基づき、今後三年間で一校の募集停止をはじめ再編・統合、学科転換などによって五十六校で五十七学級減の大規模削減を強行するものである。

 道立幕別と私立江陵、道立女満別と町立東藻琴の再編統合および伊達と伊達緑丘の再編検討などは、自治体の意向を口実にした「指針」「配置計画」に基づく機械的削減であり、子どもや保護者の要求をないがしろにするものである。

 また、深川西、野幌、根室の学級減を今になって決定したことは、進学を考えていた子どもや保護者にとって、進路変更の検討を余儀なくされるなど、大きな混乱を生じさせるものである。

 「公立特別支援学校配置計画」は、二〇一九年度について、六月の「配置計画案」に加え、新たに平取養護と旭川養護の普通科重複学級をそれぞれ一学級増とし、全しょうがい児学校六十一校において六学級二十三人の定員増とした。さらに、二〇二〇年度についても全道で五学級相当の定数増を検討するなど、分離・別学を一層加速させるものとなっている。

 道教委が特別支援教育の名のもとに進める差別・選別の施策は、中卒者数が減少傾向にあるにもかかわらず特別支援学校への入学を希望する子どもの数を年々増加させている。「分けることは差別につながる」とした国連障害者権利条約の理念に基づき、希望する子どもたちの地元の普通高校への入学を保障するよう、すべての学校において合理的配慮などの教育条件整備を進めることが、道教委の果たすべき最大の役割である。

 本配置計画は、高橋道政による中央追随・財政最優先、地方切り捨ての政策に基づくもので、地域の経済を一層疲弊させ、文化の衰退を招くとともに、子どもたちの遠距離通学や保護者の経済的負担を増加させ、貧困と格差を拡大させるもので、断じて容認できない。私たちはこれまで、北教組要請行動や地域別検討協議会において、「指針」「配置計画」の撤回・再考を求めてきた。中卒者数の減少期だからこそ道教委は、一人ひとりの子どもたちの要求に応え豊かな後期中等教育を保障すべきである。

 私たちは引き続き、子ども・保護者・地域住民の高校存続を求める声を結集し、希望するすべての子どもがしょうがいのある・なしにかかわらず地元で学べる「地域合同総合高校」の設置など、子どもの教育への権利と教育の機会均等を保障するための道民運動を一層強化していくことを表明する。

(関係団体 2018-09-13付)

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