道教育研究所連盟が大会開く 各地域の研究充実へ 講演や意見協議で研鑚
(関係団体 2018-09-11付)

第73回道研連研究発表大会
各校の現状を把握したカリキュラム・マネジメントの実施を求めた渋谷調査官

 【函館発】道教育研究所連盟(北村善春委員長)は八月三十日から二日間、フォーポイントバイシェラトン函館を会場に第七十三回道教育研究所連盟研究発表大会函館大会兼第六十回全国教育研究所連盟北海道地区研究発表大会を開いた。道内の各研究所員など八十九人が参加。国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部の渋谷一典教育課程調査官による講演や二つのテーマによる研究発表・意見協議を通して、資質・能力の向上と各地域の研究・研修の充実へ研鑚を積んだ。

 連盟加盟の各研究所では、前年度から継続している第十六次共同研究主題「これからの時代の教員に求められる資質・能力の向上に係る支援の在り方」のもと、これからの教員に求められる資質・能力の向上に資することを目的に研究を進めている。

 初日の開会式では、北村委員長に代わり、南北海道教育センターの寺本公彦所長が登壇。

 「各研究所・研修センターでは、学習指導要領の趣旨を踏まえるとともに、現場のニーズや困り感などを把握した研修講座や成果を提供する役割が求められる」と述べた上で、「新学習指導要領の移行期間の時期を、学校の教育活動など改善・充実する好機ととらえ、教員や学校の支援に取り組んでほしい」と呼びかけた。

 続いて、渋谷教育課程調査官、渡島教育局の五十嵐晋局長、函館市教委の辻俊行教育長が祝辞。

 渋谷調査官は「AIなどの進歩で、子どもたちの将来はさらに予測が難しくなる。目的に応じた想像力、人間としての強みの育成に向け、充実した大会にしてほしい」と期待を寄せた。

 五十嵐局長は「道研や各教育研究所の研究は心強い」と述べた上で「大会の成果を研修の一層の充実につなげ、各研究所のさらなる発展に期待したい」と話した。

 辻教育長は「二日間で大きな成果が出るよう市教委も協力に努める」と述べた上で「近年では教員個々の能力を伸ばすだけでなく、学校単位での経営力向上が求められている。大会の成果を通して、より実践的な取組を進めてほしい」と呼びかけた。

 開会式終了後の全体発表では、共同研究推進委員会の山﨑修委員長が二年次目の研究内容を説明。ICTの活用による支援の充実に向けた取組などを紹介した。

 発表のあと、渋谷調査官が、「新学習指導要領の移行期間に、学校、教育研究所・研修センターは何をすべきか~カリキュラム・マネジメント、主体的・対話的で深い学びの充実に向けて」と題して講話。新学習指導要領で求められる目指す子ども像や主体的・対話的で深い学びの実現に向けて話を進めた。

 今回の学習指導要領の改訂について「今後の社会が仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムによって、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会に変化していく」と説明。子どもが社会に対応するために「未来社会を切り拓くための資質・能力を確実に育成し、求められる資質・能力を社会と共有し、連携する社会に開かれた教育課程」「知識の理解の質をさらに高め、確かな学力の育成」が求められていることを強調した。

 その上で、各学校におけるカリキュラム・マネジメントについては、各学校の授業や現状を把握し「教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容を教科等横断的な視点で組み立てる」「教育課程の実施状況を評価して改善を図っていく」ことなどを通して、各学校が組織的・計画的に教育活動の質の向上を進めていく必要性を呼びかけた。

 最後に、新学習指導要領の全面実施に向けて「目指すものを理解し、子どもの目指す姿の実現に寄与してほしい」と述べ、今後の研究に期待を寄せた。

 二日目は、「カリキュラム・マネジメントの在り方」「主体的・対話的で深い学びの実現を目指した授業づくり」のテーマで各部会に分かれ、研究発表や意見協議を行った。

(関係団体 2018-09-11付)

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