かみしほろ学園研究大会―上士幌町教委　一貫性ある教育を推進　日ごろの実践など共有

（学校 2018-10-22付）

　【帯広発】上士幌町教委は十月上旬、上士幌町認定こども園「ほろん」と上士幌高校を会場に、かみしほろ学園教育研究大会を開いた。「かみしほろ学園構想」のもと、幼児から高校生までの一貫性のある教育づくり、地域総ぐるみで子どもの育ちにかかわる仕組みづくりに向けて、日ごろの教育実践を共有した。

　かみしほろ学園構想は、町子ども教育ビジョンで定めた“目指す子ども像”を具現化するため、二十八年に策定。「幼児から高校生まで一貫性のある教育づくり」「地域総ぐるみで子どもの育ちに関わる仕組みづくり」を基本理念に掲げ、共通教材やサポートブック『アーチ』の導入と活用、課外活動の充実と連携方策、コミュニティ・スクール制度の活用、社会教育における地域教育の推進などに取り組んでいる。

　研究大会は、町における幼児から高校生までの一貫性ある教育づくり推進のため、研究方法と実践を共有し、教職員としての力量と資質を高めるために開催したもの。

　この日、認定こども園「ほろん」で四教室の保育、上士幌高校で現代文、数学、上士幌学、実践英語など七授業を公開した。

　このうち、上士幌高三年選択授業「上士幌学」では、髙橋江恵教諭が町内の牧場で羊を飼育している草野秀剛氏を講師に招いて授業を展開。三年生十八人が学習した。

　生徒たちはこれまで、地域の文化や産業を教材にした「上士幌学」で、アイヌの人たちの暮らしや十勝の開拓の歴史、町への移住者の講話などの授業を受けてきた。

　はじめに、髙橋教諭はプレゼンテーションソフトを使って、牧場での羊の様子や飼育の仕事内容を紹介したあと、生徒たちに「自分のイメージする羊の絵」を作画させた。

　続いて、草野氏が牧場の施設や、羊の管理方法、ラム肉とマトン肉の違いなど牧場経営の視点から説明した。

　髙橋教諭は本時で体験する「羊毛フェルトを使った小物づくり」と羊毛の「糸紡ぎ」をより自分事に引き付けさせるため、羊の毛刈りの様子を映像で提示。

　草野氏が羊の毛刈りについて「毛を刈るときに大切なのは、バリカンを持つ右手ではなく、羊を操作したり、皮膚を伸ばしたりする左手の動き」と解説した。「糸紡ぎ」について、草野氏が原毛から糸をこよるスピンドルやスライバーといった道具を紹介し、糸紡ぎを実演したあと、生徒に体験させた。

　このあと、全体会に移り認定こども園の野崎寛一保育教諭と宮本明日美保育教諭が活動報告。

　また、上士幌高の山﨑広平教諭が「上士幌学」の実施内容について、同校の莖田栄知教諭が高校における通級指導について取組を発表した。

(学校 2018-10-22付)