小中一貫教育の小清水小・小清水中 国語や算数など3授業公開 系統性と継続性生かし(学校 2018-10-16付)
【網走発】小清水町立小清水小学校(可児隆洋校長)と小清水中学校(齊藤修校長)は三日、小清水小で合同公開研究会を開いた。研究主題「義務教育九年間を見通した小中一貫教育の創造~学習内容の系統性と指導方法の継続性を生かした指導力向上と授業改善」のもと、国語、算数、道徳の三授業を公開。課題解決に向けた合同研修の成果を紹介した。
両校は、二十九年度から施設分離型の小中一貫教育を進めている。本年度は、小学校と中学校の合同研修を充実させ、「検証しにくい仮説はつくらない」「少しずつでも目に見える研究成果を積み上げる」「日常の実践に生きる研究内容を設定する」のコンセプトのもと、各教科部会ごとに課題解決型の研修を展開。重点教科は国語、算数・数学、道徳の三教科。
今回の公開研究会では、七月に中学校で行われた重点教科の授業交流で明らかになった課題を踏まえ、改善の手立てをまとめ、それに基づいて授業を行った。
公開した授業のうち、六年一組道徳「その人のために」(島田琴美教諭、児童数三一人)では、ねらいを「誰に対しても思いやりの心をもち、相手の立場になって親切にしようとする態度を育てる」と設定。また、課題を踏まえた取組内容として、①目的意識をもって、自己の考えと他者の考えの交流②自分の考えを表出しやすくするためのワークシートの工夫―の二点を設定した。
島田教諭は導入で、道を尋ねられている様子やボランティアの様子など、本時の内容項目「親切、思いやり」を連想させる写真を提示。
共通点を考えさせ、本時の問題「心からの思いやりや親切について考えてみよう」に迫るきっかけをつくった。
続いて、資料「最後のおくり物」を範読。俳優を目指すロベーヌと、かつて自らも俳優になることを夢見ていた俳優養成所の守衛ジョルジュじいさんを描いたもの。
内容を振り返ったあと、取組内容②に基づき、「ジョルジュじいさんがロベーヌに贈ったものは、お金と手紙以外に何があるだろうか」について、ワークシートに記入させた。
ジョルジュじいさんの気持ちについて、自分の考えを書くために視点をもたせた。
それを踏まえ、自由交流。取組内容①の観点から「なるほど」と思った友達の考えをワークシートに記入させたほか、その理由を考えさせることで、学びが深まるようにした。
全体交流では友達の考えを発表。「ロベーヌに頑張ってほしいという気持ち。親切にしてくれたから」「自分がかなえられなかった夢をかなえてほしいという気持ち」などの意見が挙がった。
また、「自分が考える“心からの思いやり”とは何か」と発問し、ワークシートに記入。「心から」という言葉に結び付けて、親切、思いやりは、相手にどんな力を与えてくれるものなのかを引き出した。
終末では、「今までの自分は、相手を思いやり、親切にすることができていたか」について、ワークシート上のスケールに記入させ、今後につなげた。
授業後の研究協議・分科会では、島田教諭の授業について、「自分の考えだけではなく、その理由も交流させることで、話し合いの目的が明確になった」「導入で提示された写真が本時の内容や発問とあまり結び付いていなかったのでは」などの意見が挙がった。
(学校 2018-10-16付)
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