札幌市養護教員会が全市研修会　避難所の対応学ぶ　道防災教育アドバイザー・安田氏講演

（関係団体 2018-10-30付）

２５０人が参加し、資質向上を図った

　札幌市養護教員会（花田えりか会長）は二十四日、ホテルライフォート札幌で全市研修会を開いた。(有)インタラクション研究所代表で北海道防災教育アドバイザーの安田睦子氏が、災害で学校が避難所になったときの対応方法について講演。二百五十人を超える参加者は、講演やグループ演習を通じて養護教諭としての資質向上を図った。

　開会あいさつに立った花田会長は、北海道胆振東部地震にふれ「自然災害が多発する近年、防災教育や災害時の備えなどに取り組んでいかなければならないと感じていた矢先の震災だった」と振り返った。震災で避難所となった学校も多いことから「各学校の経験を踏まえ、あらためて具体的に考えられる研修になることを期待している」と研修会の意義を説明した。

　続いて、安田氏が「学校が避難所になったとき、どのように対応するのか」と題して講演。

　過去の震災時における避難所の状況を写真で示し、避難所では治安に対する不安や介護が必要な人への配慮、ペットの扱いなど、様々な問題が発生することを紹介した。

　後半はグループに分かれ、市立山の手小学校の施設図などを使って避難所開設・運営のイメージ訓練を行った。参加者は被害状況や施設情報を確認したあと、避難所として使える教室などを図面に記入。開設・運営に当たって「要配慮者はどこに案内するか」など、細かい設定で対応を話し合った。

　そのあとの全体発表で「受付での避難者の振り分けや、配給の分配が悩みどころだった」「事前にトイレの確認が必要だと感じた」と振り返り、準備の大切さについて理解を深めた。

　最後に安田氏は「震災発生時、話し合っている時間はほとんどない。養護教諭として準備しておくこと、児童生徒に伝えておくべきことを確認しておいてほしい」と強調した。

(関係団体 2018-10-30付)