社会に活きる教育探究 北数教が研究大会札幌大会(関係団体 2018-10-29付)
相馬会長は大会を通して研究をさらに推進するよう呼びかけた
道算数数学教育会(=北数教、会長・相馬一彦道教育大学旭川校教授)は十八~二十日の三日間、札幌市内で第七十三回道算数数学教育研究大会札幌大会を開いた。小学校・中学校・高校の三部会で特設授業、分科会を開催し、研究成果を共有。算数数学教育の充実に向けて研鑚を積んだ。
研究主題は「“社会に活きる、社会に活かす”算数・数学教育の探究」。本年度は、二十一年度以降継続している研究テーマのまとめの年となる。
小学校は「未来を拓く力をはぐくむ算数教育」、中学校は「“数学を学ぶことのよさ”を実感する生徒の育成」、高校は「社会に活きる数学教育の理論的・実践的研究」とそれぞれ設定した。
初日、札幌平岡高校で高校部会を開催。特設授業や領域別分科会、全体研究協議会を行った。
二日目、札幌サンプラザで三校種合同の開会式を行った。はじめに、相馬会長があいさつ。新学習指導要領で示す三つの資質・能力をバランスよく育てることが求められるとし、「そのための算数・数学教育の実現に向けて、この札幌大会を通して研究をさらに推進し、深めてほしい」と呼びかけた。
続いて、松村聡大会運営委員長(札幌市立伏見小学校長)が登壇。小・中・高の三校種で組織されている北数教の利点を生かしながら、「札幌大会以降の学習内容の系統性、校種間連携の充実を図っていきたい」と語った。
来賓あいさつでは、石狩教育局の村上由佳次長、札幌市教委の紺野宏子教職員担当部長、日本数学教育学会の中村光一理事が祝辞。
来年度の第七十四回道算数数学教育研究大会後志・小樽大会の開催に向け、大会運営委員長を務める小樽市立花園小学校の中倉優校長が新研究主題を示し、大会開催への意気込みを語った。
このあと、札幌市立伏見小で小学校部会、札幌市立白石中学校で中学校部会を開催。両会場で特設授業、授業分科会を展開したほか、初日に続き、札幌平岡高で高校部会を開いた。
三日目、小学校部会では國學院大學栃木短期大学元教授の正木孝昌氏が「“主体的・対話的で深い学び”とは」、中学校部会では、静岡大学教育学部の松元新一郎教授が「新学習指導要領“データの活用”の趣旨を活かした確かで豊かな授業実践に向けて」をテーマにそれぞれ講演した。
◆小学校部会が特設授業 5年算数、内角の和を求める授業展開
大会の二日目、札幌市立伏見小学校(松村聡校長)で開かれた小学校部会では、一~六年生の特設授業を公開した。
小学校部会では、研究主題を「未来を拓く力をはぐくむ算数教育」、副主題を「主体的・対話的に学び、数学的な見方・考え方を高める問題解決学習の創造」と設定している。
この日、一~六年生の六本の授業を公開。五年二組(児童数三四人)の算数「三角形や四角形の角」の授業は岡崎隆信教諭が指導。三角形の内角の和が百八十度であることを踏まえ、五角形、六角形の内角の和を求める授業を展開した。
本時は八時間扱いの五時間目。これまで、三角形の和が百八十度であることを帰納的・演繹的に考える学習に取り組んできた。本時では、五角形や六角形の内角の和について、三角形の内角の和が百八十度であることをもとに考えることを目標とした。
岡崎教諭ははじめに、様々な形の五角形の図を示し、「内角の和はどちらが大きいのか、または同じなのか調べよう」と提起。
児童は、既習内容をもとに、五角形の中に線を引くことで三角形が三つできることを導き、「三角形の内角の和が三つあるから、内角の和は五百四十度」と回答した。
つぎに岡崎教諭は、六角形の図を示して同様に質問。児童は、「今度は三角形が四つだから七百二十度になる」と正解を導いた。
最後に、十角形の内角の和を発問。児童は「五角形は百八十度の三倍、六角形は四倍だったね」「角の数から二を引いた数をかけたら良いのでは」など、活発に意見を出し合った。
(関係団体 2018-10-29付)
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