SCRUM道東圏域連絡協議会 授業改善など理解深め サポート校・釧路湖陵高が発表
(道・道教委 2018-11-02付)

SCRUM連絡協議会
帯広柏葉高の会場では釧路湖陵高の実践発表に対し質疑が行われた

 【帯広発】道教委は十月二十四日、帯広柏葉高校を主会場に道高校「教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの学習・指導方法の改善のための実践研究(SCRUM)」における道東圏域指定校連絡協議会を開いた。帯広柏葉高と十勝教育局が主管。サポート校である釧路湖陵高校の取組発表と、国立教育政策研究所教育課程研究センターの藤枝秀樹教育課程調査官・学力調査官の講演を通して、授業改善などへの理解を深めた。

 この取組はSCRUMに関するサポート校の実践報告および講演を通して、道東圏域における情報の共有を図ることが目的。帯広柏葉高を主会場に、釧路湖陵高、斜里高校に遠隔システムで公開し、道東圏域の教職員百五十人が視聴した。

 この日、主会場の帯広柏葉高・塚本宏之校長があいさつ。協議会を開くことで「今後の参考にしていただくとともに、藤枝氏の講演を通して取組に資するものとなれば」と期待した。

 続いて、十勝教育局の酒井徹雄高校教育指導班主査があいさつし「サポート校の取組などを今後、道教委を通じて動画閲覧サイトで公開するので、活用していただければ」と呼びかけた。

 つぎに、釧路湖陵高の担当教員が二十八年からSCRUMの指定校になった同校の取組を発表。昨年度までの実践について、①授業実践ワーキンググループの設立②授業研究ワーキンググループと同校のアクティブ・ラーニングについて③ルーブリックおよびその活用例④探究活動について―の四点にまとめた。

 このうち、個人評価にかかるルーブリックの活用については、年度初めのシラバス説明会で評価項目を説明していることを紹介。「生徒の学習目標を示し、学習する目的の理解につながること」などに役立っていることを示した。

 探究活動については、三十二の講座をゼミナール形式で教諭らが担当。例として「ヒトの学習効果・効率について迷路を用いて検証する」などの探究活動を挙げ、二年生の発表ではポスターセッションを行ったことなどを報告した。

 質疑応答に移り、「探究活動によってどのような変容が生徒から見て取れたか」と質問が挙がった。釧路湖陵高の担当教員は「定量化はできていないが、教員の実感として、生徒がどこまでできるか分からないスタートだったが、教員らの予測以上の結果を出す生徒が多く、主体性を引き出すことができていた」と答えた。

 このあと、藤枝調査官の講演「これからの高校教育を考える~生徒による“主体的・対話的で深い学び”の実現のために」を視聴。高大接続改革の中で、大学入試共通テストが大きく変わっていくことで「これまでの教育実践の蓄積を踏まえて授業を改善する上で、各教科の“見方・考え方”を重視する必要がある」と語っていた。

(道・道教委 2018-11-02付)

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