胆振東部地震の被害状況―道教委まとめ、１０月２５日現在　学校施設被害額は５７億円　農業高で停電により生乳破棄

（道・道教委 2018-11-05付）

北海道胆振東部地震による道・市町村分の被害状況（１０月２５日現在）（クリックすると拡大表示されます）

　道教委は、十月二十五日現在における北海道胆振東部地震に伴う道内公立学校、社会教育・文化施設、文化財などの被害状況をまとめた。被害件数は三百九十二件で、被害額（判明分）は五十九億五千五百万円。このうち、学校施設の地震関係被害額は五十六億九千八百万円に上った。停電関係被害額は百万円で、農業高校で生乳の破棄などの被害が発生した。

　地震関係被害のうち、公立学校の施設被害は三百三十九件で、内外壁にひびや亀裂、床や廊下にゆがみ、ひび割れが発生。天井材や照明の落下、電気機器やガラス破損などの被害が生じた。

　特に影響の大きかった胆振管内では、安平町の早来中学校で校庭内に地割れ、体育館の壁に亀裂が発生。地盤の問題で校舎が利用できず、現在仮設校舎の建築を進めている。むかわ町の宮戸小学校では、渡り廊下の天井が落下するなどの被害があった。

　これら公立学校の施設被害額は現在調査中だが、判明分は五十六億九千八百万円となった。

　学校給食施設の被害件数は五件。床や壁、厨房機器が破損し、被害額は四千三百万円となっている。社会教育・文化施設では、施設全体のゆがみや外壁亀裂など三十一件の被害が発生。被害額は二億一千万円だった。

　文化財の被害件数は十七件で、函館市内の五稜郭跡で石垣の一部が崩落したほか、札幌市内の北海道大学構内にある第二農場釜場の煙突が破損した。被害額は現在調査中だが、判明分は三百万円となっている。

　停電関係被害額は百万円。農業高校では、授乳器が使用できずに乳牛の乳房炎被害が発生。牛乳の保存タンクの停止に伴い、生乳を破棄した。

　学校寄宿舎でも、停電に伴い食材の破棄が生じている。

(道・道教委 2018-11-05付)