全国学力調査の管内正答率格差  認識の差、状況改善を 教育委員会会議で指摘―道教委
(道・道教委 2018-11-09付)

 道教委が七日に開いた第二十三回教育委員会会議では、三十年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書について、各委員が意見を交換した。管内の平均正答率の格差について佐藤嘉大教育長は「どうすれば学力向上に結び付くかを協議し、支援していきたい」と表明。田澤由利委員は、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善の取組状況について、児童生徒と学校で認識の差がある点を指摘し、改善の必要性を挙げた。

 はじめに、池野敦義務教育課長が報告書について説明した。鶴羽佳子委員は、児童生徒質問紙調査から子どもたちの学習意欲の上昇がみてとれること、確実に学力向上に取り組んでいる地域が成果を挙げていることを評価。一方で、管内で各教科の平均正答率の差が広がっている課題を挙げ、特に日高と宗谷の二管内に関して「状況をどう打開するか、何かできるかを考えなくてはいけない」と述べた。

 佐藤教育長は、地域一体となって教育環境を整備する意識を高める必要にふれ、「各地域の教育長も危機感をもっている。何が足りないのか、どうすれば学力に結び付くかを協議し、できることを支援していきたい」と表明した。

 山本伸弘委員は、学校質問紙調査の結果から、調査結果の分析と活用、教育課程の編成・実施・評価・改善のPDCAサイクルを確立している学校の割合が全国平均を大きく上回っている点を指摘。「各学校で課題は異なる。資料を自校の状況と照らし合わせ、いかに活用するかが重要」とし、取組を若い世代の教員につなげていく必要があるとした。

 田澤委員は、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善の取組への認識が児童生徒と学校とで差がある点を指摘し、現状を改善する必要性を強調。帰宅後に家庭でテレビを見たり、インターネットやゲームなどをしたりしている児童生徒の割合が上昇していることに関しては「テレビにもニュースや教育的なものがあり、インターネットにも調べ学習がある」と多面的にとらえるべきとした。

 また、継続的に学力向上に成果を上げている他県と比べ、講師を招いて校内研修を行っている割合が低いことから、講師を招く機会を増やしていく必要性を示した。

 橋場弘之委員は、平均正答率の全国との差が小学校から中学校で大きく縮まっていることから、高校、大学でも縮めていく必要性を強調。国語の「書くこと」に関する数値が全国平均に届かない課題を指摘した。

(道・道教委 2018-11-09付)

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