札幌市教委が市立高校教育研修会　新学習指導要領改訂のポイント学ぶ　講師に文科省・渋谷教科調査官

（市町村 2018-12-26付）

渋谷調査官が新学習指導要領について解説した

　札幌市教委は十九日、市内のちえりあで札幌市立高校教育研修会を開いた。市立高校などの校長、副校長・教頭、教諭四十四人が参加。文部科学省初等中等教育局教育課程課の渋谷一典教科調査官が新学習指導要領と改訂の趣旨について講話したほか、総合的な学習（探究）の時間や特別活動など各教科・領域の部会協議を通して、研鑚を積んだ。

　研修会は、学習指導要領の趣旨の説明および研究協議を通して、授業改善を含む指導と評価の一体化に向けた情報等を提供し、高校教育の改善および充実を図るもの。

　開会式では、教育課程担当課の幸丸政貴高校担当係長があいさつ。

　同会の趣旨や新学習指導要領の内容にふれたほか「見方・考え方を働かせながら生徒一人ひとりがもつ知識・技能と新しい知識・技能を結び付けられるよう、より質の高い深い学びの実現を目指す必要がある」と話すなど、同会を通して各学校の教育活動の改善に期待を寄せた。

　続いて、渋谷教科調査官が新学習指導要領改訂の要旨について講話した。日本の生産年齢人口や労働生産性水準などの推移を示したほか、目指すべき未来社会の姿として「Ｓｏｃｉｅｔｙ５・０」が提唱されていることを紹介。新学習指導要領で育成すべき資質・能力を踏まえた教科・科目等の新設や目標・内容の見直しなどが図られたことを説明した。

　育成すべき資質・能力の三つの柱として「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」を提示。この柱について、個別に育成するのではなく、関連を図りながら資質・能力を育成することを求めた。

　また、教科等横断的に資質・能力を活用することがますます重視されていることにふれたほか「学校長を筆頭としてすべての教職員が教育課程の編成に参画していくことが求められている」と説明した。

　このあと、総合的な学習（探究）の時間と特別活動、保健体育、芸術（書道）の四部会に分かれて協議を行った。

(市町村 2018-12-26付)