働き方改革推進計画策定―石狩管内各市町村 部活動休養日73日以上 週60時間超勤務ゼロへ
(市町村 2018-12-27付)

 石狩管内の七市町村は、足並みをそろえて働き方改革推進計画を策定した。「教職員が本来担うべき業務に専念できる環境の整備」など四つのactionを推進。三十二年度末までに年間七十三日以上の部活動休養日を完全実施することや、学校閉庁日を年九日以上設定することなど四点の指標をすべて達成し、一週間当たりの勤務時間が六十時間を超える教員をゼロにすることを目指す。

 石狩管内の七市町村の働き方改革推進計画は、管内で統一した取組を図るため、江別市が作成した素案をもとに作成することとした。江別市教委は、素案をまとめるに当たって学校と一体となって取組を推進するため、素案のたたき台を市内の全公立小・中学校に配布。すべての教職員の意見を集約した上で、それらを反映して素案をまとめた。これをもとに地域の実情に応じて七市町村がそれぞれ計画を策定した。

 計画は、教職員の長時間勤務の解消に向けた取組などを通じて、教職員が心身の健康を維持しながら、教育活動に意欲的に取り組むことで、教育の質の向上と、子どもたちが地域と一体となって心身ともに健やかに成長できる環境づくりを行うことが目的。道教委が策定した学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」に準拠し、働き方改革を進めることで、学校、家庭、地域、行政が密接に連携し、保護者や地域住民などの理解を得ながら、教員が授業や授業準備などに集中し、健康で生き生きとやりがいをもって勤務できる環境を構築する。

 計画期間は、三十年度から三十二年度までの三年間。取組の成果を検証しながら、必要に応じて見直しを行うこととした。

 市町村教委と学校は、地域や学校の実情を踏まえ、①教職員が本来担うべき業務に専念できる環境の整備②部活動指導にかかわる負担の軽減③勤務時間を意識した働き方の推進と学校運営体制の充実④教育委員会による学校サポート体制の充実―の四つのactionに取り組む。

 具体的な取組には、ICTを活用した教材の共有化による授業準備などの支援の充実、地域との協働の推進による学校を応援・支援する体制づくりの推進、ワークライフバランスを意識した働き方の推進、長期休業期間中における学校閉庁日の設定、周知用リーフレット配布などを通した保護者・地域の理解促進、勤務時間に関する制度の有効活用などを盛り込んだ。

 千歳市教委では、①において、「チーム学校」の実現に向けてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、特別支援教育支援員などに加えて介助員、学校看護師の配置を進めることとした。

 北広島市教委では、③において、夏季休業中の学校閉庁日を期間中の平日に三日間連続して設定することを基本とする。また、服務上の取扱いとして、児童生徒の事故などによる保護者等からの連絡は市教委が受け、必要な対応を行うこととした。

 石狩市教委と当別町教委は、④で、職員のメンタルヘルス対策を推進。ストレスチェックや面接指導を実施し、学校と連携して取組を進める。

 これらの取組を通して、三十二年度までにすべての部活動において、「部活動休養日を完全に実施(年間七十三日以上)する」ことをはじめ、すべての学校において、「変形労働時間制を活用する」「定時退勤日を月二回以上実施する」「学校閉庁日を年九日以上実施する」との指標をすべて達成。一週間当たりの勤務時間が六十時間を超える教員をゼロにすることを目指す。

(市町村 2018-12-27付)

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