【平成３１年を迎えて　教育研究団体に聞く】北海道家庭科教育協会　佐々木貴子会長

（関係団体 2019-01-11付）

　謹んで新年のお慶びを申し上げます。皆様には、平素より本協会の研究活動に対し、ご理解とご支援をいただいておりますことに深く感謝申し上げます。

　本協会は、昭和二十四年に「小・中・高等学校・大学の一貫した家庭科教育を」という理念のもとに、小学校から大学まで連続して家庭科を学ぶという学習者の視点に立って発足した六十九年もの歴史をもつ研究会です。発足以来、家庭科教育に携わる教員が、それぞれの立場での実践や課題をもち寄り、指導方法や指導内容の向上のために研鑚を積んでおります。

　平成三十年度の研究主題は、引き続き「よりよい生活を創る力をはぐくむ家庭科教育～学びを生活に生かす意欲を引き出す授業づくり」としましたが、年度当初に、私たちは平成二十三年度からこれまで取り組んできた研究の成果と課題を整理することにいたしました。そこで見えてきた成果は、「問い」を大切にした題材構成や授業を展開することで、児童生徒の「問題を発見する」能力が高まり、問題解決的な学習を一層充実させることができたこと。さらに、この充実によって、児童生徒は成就感や自己効力感が得られ、つぎの学びに向かう意欲が高まったこと。指導と評価の一体化を意識したことで、児童生徒が学んだ内容と生活のつながりを実感することができるようになってきているということでした。

　しかし、課題には小学校、中学校、高校とのつながりを一層意識しながら教材研究やカリキュラム（教育課程）デザインをしていく必要性がありました。

　そこで本年度は、日本家庭科教育学会の会長で、家庭科教育に関する著書や論文を多く発表されている大阪体育大学教育学部特任教授・福井大学名誉教授の荒井紀子先生をお招きして、「新学習指導要領と思考・判断をはぐくむ家庭科の授業づくり」と題した講演をしていただきました。さらに、昨年度、授業を公開してくださった北海道札幌工業高校教諭の秋田貴子先生に公開授業後の実践を報告していただき、荒井先生から講評をいただきました。　当日は道内各地から総勢七十人を超える参加者があり、荒井先生の講演から多くの学びを得ることができ、充実した一日であったとの感想をいただいくことができました。本年度の取組を受け、本協会では教員の研修の場を適宜設定していく必要性も実感することができました。

　今後とも実りある研究を継続してまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

▼新年の事業計画

▽理事会　

・期日＝２月１６日（土、午後１時３０分）

・会場＝未定

▽研究大会（期日・会場未定）

▼事務局（Ｅ―ｍａｉｌ　ｋａｔｅｉｋａｋｙｏｕｋａｉ＠ｍａｉｌ．ｇｏｏ．ｎｅ．ｊｐ）

(関係団体 2019-01-11付)