札幌市の自殺総合対策行動計画案　新たに連絡会議を設置　保健・医療・教育の連携強化

（市町村 2019-01-16付）

　札幌市は自殺総合対策行動計画２０１９の案をまとめた。誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、自殺対策にかかる具体的な施策などを示すもの。新たに、仮称・札幌市自殺総合対策連絡会議を設置し、保健・医療・教育など関連機関・団体との連携強化や協働した取組の実施などを推進することを記している。現在、パブリックコメントを実施しており、ことし三月に計画を策定する予定だ。

　市では、自殺対策について「ひとりでも多くの命を救う」ことを目標として、五ヵ年計画の「札幌市自殺総合対策行動計画」を二十二年に策定。二十六年には第二次計画を策定した。

　第二次計画が本年度までの計画となるため、第三次計画の策定に向け、検討を進めてきた。

　案では、基本理念に「市民一人ひとりが支え合い、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」を提示。基本方針には「若年層の教育ステージや生活環境に配慮した支援対策の推進」「関係団体等との連携強化と協働による取組の推進」など六点を掲げた。

　基本方針のもと、十一の施策を設定。「自殺対策にかかる人材の確保・養成および資質の向上」「子ども・若者の自殺対策のさらなる推進」など四点を重点施策として挙げている。

　新規の取組として、仮称・札幌市自殺総合対策連絡会議を設置することを明記。保健・医療・教育など関係機関・団体が有する好事例の情報共有や、要支援者の早期発見・早期介入のための取組などを協働で実施していく。

　また、市内の大学保健管理センターで構成する仮称・さっぽろ学生メンタルヘルス支援ネットワークと連携することを盛り込んだ。

　心の問題に関して教職員の理解を深め、学生を必要な支援につなげる取組や、学生への自殺予防教育実施に向けた働きかけを推進する。

　現在、市では案へのパブリックコメントを募集している。意見記入用紙に必要事項を記入の上、札幌市精神保健福祉センター（〒〇六〇―〇〇四二　中央区大通西一九丁目ＷＥＳＴ１９　四階）に郵送または持参、ＦＡＸ（〇一一―６２２―五二四四）すること。電子メール（ｋｏｋｏｒｏｎｏｃｅｎｔｅｒ＠ｃｉｔｙ.ｓａｐｐｏｒｏ.ｊｐ）でも受け付けている。二十四日まで。

(市町村 2019-01-16付)