プログラミング教育指導者研修会―石狩市教委 小学校教員が実践力向上(市町村 2019-01-10付)
24人が参加し、授業実践の報告や講演が行われた
石狩市教委は三十年十二月中旬、市役所で第四回プログラミング教育指導者研修会を開いた。市内の小学校教員二十四人が参加。プログラミング的思考を取り入れた授業実践の報告や講演を通して、プログラミング教育の実践力の向上を図った。
研修会は、三十二年度から始まる小学校のプログラミング教育必修化に向けて、実践力を身に付けた普及推進のリーダー養成を目的としている。
市教委では、プログラミング教育の知識・経験のない初心者を一層目、本年度の出前授業でチーム・ティーチングを経験した、または経験予定の教員などを二層目、前年度、出前授業を経験した教員を三層目と、段階的に分けて研修に取り組んでいる。本年度四回目の研修は、プログラミング教育の推進に当たり学校の核として活動できる三層目の教員が対象。
三層目の教員はこれまで、プログラミング教育のねらいや教材体験をしてきた。
また、プログラミング的思考を取り入れた指導案を作成。第三回研修会で、グループごとに検討した指導案をそれぞれが各学校で実践してきた。
今回は、各学校で行ってきた、プログラミング教育の成果と課題を小グループで交流した。
続いて、四人の教諭が授業実践を報告。うち、緑苑台小学校の石倉嘉久教諭は、特別支援自立活動の時間に行ったプログラミング的思考を取り入れた四授業について発表した。
一・二時間目は、靴ひもの結び方やマット運動の前転などを児童に説明させたこと、三時間目には教材「アングリーバード」を用いたことを説明。四時間目には掃除の仕方を考えさせたことを紹介した。障がいのある児童に、生活の中で一つの行動をする際、たくさんの動作が結び付いていることに気付かせたと振り返った。
聚富小学校の大畠玲教諭は、教材「Scratch」を使用して行った六年生の音楽の授業について、音符の長さなどを考えて旋律を入力させたことを説明。プログラミング教材を使用することによって、音程のずれや違和感のあるハーモニーを見つけられる利点を紹介した。
このあと、文部科学省教育ICTアドバイザーで情報通信総合研究所特別研究員の平井総一郎氏が講演。石狩市の取組について「プログラミング体験を通して各教科のねらいを達成するという視点を踏まえたレベルの高い実践が行われている」と評価したほか、「これだけの数の実践が行われている地域は少ない」と述べた。
考え方の共通理解が図られたことについて「各学校で教育課程を編成する上で大きな力となる」と話したほか「各学校でこの成果を広げてほしい」と期待した。
市教委は年度末をめどに、本年度の授業実践報告書を作成する。
(市町村 2019-01-10付)
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